ALPAがハッセルブラッドH6D-100C用ハウジングをCP+で展示
スイスのカメラメーカーALPAは、ハッセルブラッドH6D-100C中判フォーマットカメラ用に新しく再設計されたカスタムハウジングをCP+2019で展示している。これは、PLマウントをはじめ、多くのアクセサリー取り付けネジ、ファン冷却、Vマウント電源供給が新設され、動画撮影用に改善された使い勝手を実現している。会場でALPAハウジングを使用している映像クリエーターMatthew Carmody氏にインタビューした。
ALPAは1930年代から続く長い歴史を持つスイスのカメラメーカー。現在同社は独自のセンサーは持たず、他のメーカーの中判カメラをベースにした製品を作っている。cinema5Dは9月に開催されたフォトキナ2018で同社の代表者と会い、ハッセルブラッドH6D-100Cのハウジングである「ALPA PLATON」を紹介した。このハウジングはPLマウントを採用しており、また中判フォーマットのルックを望む映像クリエーターのためのワークフローを改善することを目的としている。記事はこちら。
今回ALPAはハッセルブラッドH6D-100Cカメラハウジングの新しいバージョンをCP +2019で発表し、展示している。まだプロトタイプで正式な製品名はない。 ALPA PLATONという名称が残るかどうかは不明だ。
冒頭のビデオインタビューでは、ALPAカメラハウジングを使用している映像クリエーターMatthew Carmody氏が、新製品について解説している。
ハッセルブラッドH6D-100C用ALPAカスタムハウジング
最も注目すべきは、電力供給システムに関するものだろう。アクセサリーも含めてハッセルブラッドH6D-100Cをフィールドで使用する場合、内蔵バッテリーでは不十分で、DC電源入力コネクタから電源供給する必要がある。 以前はソニーのNP-Fバッテリーをベースにした電源システムを使用していたが、新製品では大容量、高速充電のバッテリーを使用した業界標準のVマウントシステムに置き換えている。
このシステムでは、Lマウントケーブルを介し、Vマウントミニバッテリープレートを使用してハッセルブラッドカメラ本体の側面にあるDC電源入力コネクタに電力を送っている。ジンバルオペレーション用にD-Tapも設けられており、DJI RoninやFreefly Moviバッテリーから電力を供給することもできる。これによりジンバルオペレーションでもシステム全体をコンパクトにまとめることができる。
ハウジングは前面にPLマウントを採用し、多くのアクセサリー用取り付けネジが用意されている。またカメラ本体の下に小型ファンを新設し熱対策も行った。
ハウジングの右側には、メモリカードスロット(SDあるいはCFast 2.0)が装備されている。左側には、3つスイッチがあり、そのうちの1つでカメラの電源をオン/オフできる。他の2つのスイッチは、カメラ本体の下にあるファン用のもので、1つのスイッチでオン/オフ、もう1つのスイッチでファン速度を「低」と「高」に変えることができる。
左側には小さなパネルがあるが、ヘッドフォンジャック、オーディオ入力マイクジャック、HDMIコネクタなどハッセルブラッド本体のコネクタの邪魔になるようなことはない。
発売時期や価格についての公式な情報はないが、製品自体は完成の域に達しているので比較的近いうちに発売されそうだ。