ASUSの新スマートフォンZenFone 6は180度反転するカメラモジュールを備えている。このカメラは4K解像度で、反転して前面カメラとしても機能する。この機構により、スマートフォンのフレーム全体がディスプレイとして使用できるようになった。このスマートフォンはブロガーには最適のツールかもしれない。
スマートフォンでは画面の大型化が進んでいる。スマートフォンメーカーは、本体は大きくすることなく、できるだけタッチスクリーンディスプレイを最大化しようとしている。しかしここで問題になるのはカメラだ。カメラを置くスペースを確保する必要があり、ディスプレイの大きさが制限されてしまう。そこでサムスンは、新しいギャラクシーS10でディスプレイにカメラカットアウトを導入、OnePlusは現在、電動スライド式前面カメラを搭載している。
一方ASUSは、新しいZenFone 6で2台のカメラを搭載した回転モジュール方式を導入した。このカメラだけで、標準のバックカメラ、フロントカメラとして使用できる。
この記事では、ZenFone 6カメラ機能に焦点を当てて解説する。その他の機能についてはASUS ZenFone 6のウェブサイトを参照いただきたい。
ZenFone 6のフリップカメラ
ASUS ZenFone 6のカメラモジュールは、本体上部にあり、使用しない場合は背面に収納されている。動作時は本体からせり出して180度回転することができ、2つのカメラで撮影できる。
メインカメラは、ソニーの IMX586 48MP 1 / 2.0インチイメージセンサー(0.8 µmピクセルサイズ)を搭載している。Quad Bayer技術(1ピクセルに正方形の4ピクセルを搭載)を使い、12メガピクセルの解像度を得ている。レンズはf / 1.79の固定F値で、35mm 換算で26mmの焦点距離79°の視野)となっている。更にハイエンドのオートフォーカスも実装されている。
もう一つのカメラは13メガピクセルの解像度を持つが センサーサイズは公表されていない。もちろんメインカメラのそれよりも小さいだろう。こちらはリアルタイム歪み補正を備えた、35mm 換算で11mm(125°の視野)の超広角だ。
メインカメラでは最大4K UHD(3840 x 2160)/30または60fps、セカンドカメラでは最大4K UHD/30fpsで撮影できる。またメインカメラには、3軸電子式手ブレ補正が搭載されている。更にスローモーション(1080p で240fps、720pで 480fps)も撮影できる。
また1080p 60fpsモードでのみ、顔認識で被写体を追跡できるモーショントラッキング機能が搭載されている。被写体がフレームから外れると、それに応じてカメラが自動で回転するので、被写体を常に追跡することができる。同様にして自動パノラマパンも可能だ。
6.4%フルHD +(2340 x 1080)IPSディスプレイは、画面対本体比は92%、屋外での明るさは600nits。もちろんゴリラガラスで保護されている。
内蔵ストレージは最大256GBで、最大2TBのmicroSDカードをサポートしている。 SanDiskの新しい1TB microSDを使用すると、高ビットレートの4K映像を長時間記録できる。
更にバッテリーは5000mAhと大容量で、長時間の撮影にも対応できる。
スマートフォンカメラの新しい方向か?
最近のスマートフォンはスペックの向上だけで、本質的な変更はなかった。しかしZenFone 6は回転カメラという新しい考え方で、スマートフォンでの撮影の可能性を広げたといえる。まだ十分なテストしていないので、更に詳しいことは分からないが、少なくともメインカメラですべてを撮影できるのは大きなメリットだ。前後面それぞれにカメラを搭載する方法では、サブカメラの画質は期待できないものが多い。
カメラの回転角度はアプリで調整でき、0〜180度の間で、どの位置にもセットできるので、自分撮りだけのためではない。そしてまた、地面や上からなど、さまざまな視点からの映像も撮ることができる。
ただし、いくつかの欠点もある。スマートフォンに機械的な部品が追加され、また突き出ているのでるので破損する可能性が高くなり、更に水や埃の対策も必要になる。そして映像クリエーターにとってのもう一つの問題は、NDフィルターかもしれない。フリップモジュール用にカスタムメイドのフィルターが必要になるだろう。
カメラの筐体はステンレス鋼よりも軽量でかつ4倍強いアモルファス合金で作られており、ステッピングモーターで動作する。10万回の作動テストも行われたとされている。 Gセンサーがスマートフォンが落下していることを検出すると、カメラは自動的に収納される。
このスマートフォンはブロガーにとって有用なカメラになるだろう。 メインカメラですべてを収録することができるからだ。フリップカメラモジュールが堅牢であることが証明されれば、他のメーカーも採用してくるだろう。
なお、価格は64ギガバイト版で500ドルから。