今年初め、ドローンがガトウィック空港全体を麻痺させたのは記憶に新しい。しかし、実際ドローンが飛行機に衝突したらどうなるのだろうか?この問題については、「最小限のリスク」(鳥が飛行機にぶつかるようなもの)から「甚大な災害」までさまざまな意見がある。ドイツのFraunhofer研究所はその研究を行っている。
壁に衝突した場合
ドローンは一般的になり、それらの使用法に関するセキュリティ上の懸念は増大し続けている。最も良い例の1つは、ドローンに「飛行禁止区域情報」を組み込むことだが、これも無効にする手段が出回っている。毎年、新しい規則や規制が世界中で作られているが、一貫性がない。これらの規則は、特にドローンから航空機を守ることに焦点が当てられている。
ドイツの研究所のFraunhofer EMIは、ドローンと航空機の衝突をシミュレートしており、独自のテストベンチを作った。このベンチでは、8ミリメートルの厚さのアルミニウム板に対して、3Kgの重さのドローンをさまざまな速度(最高時速500マイル/h)で衝突させた。
ドローンは原型をとどめていない。Fraunhofer EMIは次のように述べている。
プレートは変形しくぼみができ、ドローンのバッテリーとエンジンは完全に破壊されました。この重量のドローンでのテストはこれまでに行われたことがありません。
この種の分析は以前に行われたことはなく、航空当局や規制に役立つだろう。もう一つ考えられるのは、ドローンが航空機のタービンに突入したらどうなるか、だ。
ジェットエンジンとの衝突
これについては、3年前のレポートがある。 2018年、Dayton Research Instituteの研究者が DJI Phantom 2が航空機のジェットエンジンに突入したらどうなるか、の研究結果を発表している。ここから言えることは、決して鳥が飛び込む程度のことではないということだ。
ドローンは主にプラスチックと電子機器でできている。テストでは爆発するリチウムイオンバッテリーの影響が大きい。ただし、影響を与える変数が多すぎるため更にテストを重ねる必要がある。
ドローンが航空機に衝突して大きな事故になった例は幸いまだ無いが、いずれにしても危険を認識し、責任を持ってドローンの飛行を行う義務がある。