ソニーのVENICEは同社のフラグシップシネマカメラで、ハリウッドの大作映画にも採用されている。そのVENICEのファームウエアV5.0がリリースされた。拡張HFRモード、内部HD ProRes 4:4:4:4記録などの新機能が追加される。
VENICEはカメラ自体がモジュール式であるだけでなく、ソフトウェアもモジュール式になっている。従って本当に必要なものだけを購入すればよい。現在のファームウェアはV4.0で、これはHFR機能を追加している。アップグレード自体は無料だが、V4.0の拡張HFRモードを使用する場合は料金が発生する。ファームウェアV5.0も無料だが、特定のHFRモードを使用するために有料ライセンスが必要かは現段階では不明だ。なお、ファームウェアをユーザーがダウンロードすることはできない。販売店に持ち込む必要がある。そしてV5.0にアップグレードするには、VENICEにV4.0またはV4.01以上のファームウェアが入っている必要がある。 V3.0やV3.01からはアップグレードできない。
ファームウェアV5.0
V5.0には、次の機能が追加されている
ハイフレームレート(HFR)
- 6K 2.39:1 @ max 90fps
- 6K 17:9 @ max. 72fps
- 6K 1.85:1 @ max. 72fps
HD ProRes 4444
- 内蔵SxS Pro +カードで最大30 fps
- AXSとの同時記録は不可
モニター出力
- 上下反転出力(SDI、ビューファー)
- 拡大フォーカス モニター出力
撮影アシスト機能
- アスペクトレシオと画素数を表示
- プリセットフレームラインを追加
- 記録されたメタデータにユーザーフレームの行設定を付加
その他
- X-OCN / RAWおよびXAVCファイルにCooke /i2メタデータを記録
- 4K 2.39:1解像度は他のすべての解像度と同様に動作可能(以前は120fpsのみに制限されていた)
- デスクイーズモニタリングオプションにx1.65を追加
- 23.98fps(23.976fps)モードでは、メインディスプレイのFPS情報がFix23.98として表示されるようになった。以前は、23.98fpsと24fpsでFix24と表示されていた(サブ表示、オペレーター表示などに適用)
- チルト/ロールジャイロがVFおよびモニター出力で有効化
- ライブ用のペイントメニューサポート:ユーザーガンマ、ニー、ホワイトクリップ、ディテールマトリックス、マルチマトリックス、シーンファイル、テストSAW
以前のファームウェアの情報はこちら(ページ下の方)。 VENICEについては、下のビデオも参照いただきたい。
センサーモジュールをカメラ本体から分離できる「VENICEエクステンションシステム」は、画期的な技術だ。この機能は、映画アバターの続編にVENICEが採用された理由の一つになっている。
陳腐化しないカメラ
VENICEはモジュール式のアプローチで設計されており、将来部品単位で交換したりアップグレードしたりできる。順次アップグレードされるファームウェアのように、ソフトウェアについても同様に進化している。
ファームウェアのロードマップはV5.0以降も続くと思われ、VENICEは陳腐化することはない。なおオプションソフトウエアライセンスはこちら。
リンク:ソニーVENICEのウェブサイト