Atomosは、Shogun 7モニターレコーダーがソニーFX9のRAW出力に対応すると発表した。 Atomos Shogun 7は、XDCA-FX9拡張ユニットを搭載したFX9からSDIを介してApple ProRes RAW画像を受け取り、最大DCI 4Kp60、または2K DCI 180pで記録できる。
Atomosは、従来よりApple ProRes RAWを推進している。同社は最近、パナソニックS1Hおよびニコン Z 6 / Z 7ミラーレスカメラにも対応しており、コンパクトなNinja Vモニターレコーダーで、HDMI ProRes RAW記録が可能となっている。
SDI接続によるProRes RAW記録は特に新しいものではなく、 Atomos Shogun Infernoは、従来からさまざまなカメラに対応している。4Kをはるかに超える解像度のカメラにも対応していた。EVA1がそれだが、これは2018年6月以来、Shogun InfernoでProRes RAWがを最大5.7K 30fpsで記録できる。
ソニーも現在、FS7やFS7 II(XDCA-FS7拡張ユニットが必要)、あるいはFS5(オプションのCBKZ-FS5RIFライセンスが必要)やFS5 IIなどのカメラでSDI経由でRAW出力が可能。 Shogun 7は、これらのカメラからProRes RAWを記録できる。
FX9からのProRes RAWをShogun 7で記録
Shogun 7は、Atomosの最新の7インチHDRモニターレコーダーで、かつスイッチャー機能も持つ。 1920×1080 HDR 3000nitスクリーンを備え、HDRおよびSDRモニタリングが可能だ。 AtomX SSDminiまたはその他のSATA SSDドライブで、ProResや他のコーデックで記録できる。
またソニーのPXW-FX9はフルフレームシネマカメラで、 16ビットのRAWビデオ信号を出力することができるが、以下の必要性がある。
- RAW出力を行うためは、XDCA-FX9拡張ユニットが必要。カメラは大きく、重くなってしまう。 ただしVマウントが使用できるようになるのは利点。
- RAW出力は、無料のFX9のVer.2.0ファームウェアアップデートが必要。これは2020年10月にリリース予定。
Atomosは今回の発表で、Shogun 7レコーダーを無料のAtomOSファームウェアアップデートを行い、FX9のファームウェアVer.2.0を適応するとRAW記録が可能になると述べている。
Shogun 7は、Apple ProRes RAW画像を4K DCI 60pで、または2K DCI 180pで記録できる
ProRes RAWで記録された映像信号には、FX9のメタデータが重畳されている。 Final Cut Pro XなどのNLEは、Shogun 7によって記録されたProRes RAWファイルをFX9のRAW出力からであることを自動的に認識し、SDRかHDRで編集できるように設定する。
ProRes RAWの互換性
ProRes RAWの利点は、巨大な非圧縮RAWファイルと従来のProResの良いところ、即ち RAWビデオの柔軟性とProResのリアルタイム性を併せ持つ。これにより、ポストプロダクションでの柔軟性が増す。
当然、NLEとの互換性は重要だが、ProRes RAWは今一つ普及していない。現在、ProRes RAWフォーマットは、ASSIMILATE SCRATCH、Colorfront、FilmLight Baselight、Grass Valley Ediusなどのアプリが対応しており、もちろんFinal Cut Pro Xでは完全にサポートされている。
しかしDaVinci Resolveのユーザーには、このニュースは直接関係がないし、ResolveがProRes RAWをサポートするというニュースはまだない。 ProRes RAWとBlackmagic RAWの間の「RAW戦争」は、編集者にとっては不利益しかない。
Atomosによると、Adobe Premiere Proと Avid Media Composerは2020年にProRes RAWをサポートする計画があるようだ。なお、現在AppleはWindows用のProRes RAWのベータ版をリリースしている。
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