キヤノンは、屋内用のCR-N500とCR-N300、および屋外用のCR-X500の3つのパンチルトズームカメラシステムを発表した。カメラは、4KUHD、4:2:2 10ビット、オートフォーカス、および柔軟な接続オプションを備えている。同社はまた、RC-IP100コントローラーと無料のリモートカメラコントロールアプリケーションを発表した。
新型コロナの影響で、リモートでのビデオコンテンツ制作は昨年に比べて大幅に増加した。昨年、各カメラメーカーはシンプルなWebカメラソフトウェアをリリースすることで、高まる需要に対応した。現在、キヤノンはそれをさらに一歩進め、リモコンカメラシステムをリリースした。
キヤノンリモートカメラシステム
キヤノンは、3種類の新しいPTZ(パンチルトズーム)カメラをリリースした。屋内モデルのCR-N300およびCR-N500と、屋外モデルのCR-X500だ。さらに、新しいRC-IP100コントロールパネルと無料のリモートカメラコントロールアプリケーションもリリースした。
CR-N300
CR-N300はこのうち最小のもので、Power over Ethernet(PoE +)、HDMI、3G-SDI、およびUSBポートで柔軟に接続できる。 4:2:210ビットで4KUHD30pを実現するDIGIC DV6イメージプロセッサを搭載する。
CR-N300は、ハイブリッドオートフォーカスシステムを搭載した1 / 2.3インチタイプのCMOSセンサーと、ISを搭載した20倍光学ズームレンズ(29.3-601mmフルサイズ相当)を採用している。シャーシサイズは154x 178 x 164mm、重量は2.2kgで、非常にコンパクトなモデルだ。
CR-N500、CR-N300は、0.1°/秒刻みで動くパン・チルト駆動機構により、高精度な制御が可能で、スムーズな操作が可能。
CR-N500
2番目の屋内モデルCR-N500は少し大きく、接続は、Power over Ethernet(PoE +)、HDMI、および3G-SDI。 CR-N300と同様に、DIGIC DV6イメージプロセッサを搭載し、4:2:2 10ビットでUHD4K 30pを実現する。
このカメラは、より大きな1.0タイプのCMOSセンサーを搭載し、キヤノンのデュアルピクセルCMOS オートフォーカスシステムを採用し、手ぶれ補正機能付きの15倍光学ズームレンズ(25.5-382.5mmフルフレーム相当)を搭載する。 CR-N500は、Canon Log3とワイドDRモードを使用してHDRに対応する。
CR-X500
CR-X500は、IP55防水および防塵に準拠する屋外リモートカメラで、シリアル通信に対応し、雨天時ではワイパーも使用できる。デュアルDIGIC DV6プロセッサーを搭載しし、UHD 4K 60pビデオを4:2:2 10ビットで記録できる。 CR-X500は、高品質の1本の12G-SDIケーブル接続で最大UHD4K 60Pを実現する。
CR-N500と同様に、CR-X500は1.0タイプのCMOSセンサーと、手振れ補正機能を備えた15倍光学ズームレンズ(25.5〜382.5mmフルフレーム相当)を採用、またデュアルピクセルCMOSオートフォーカスシステムも搭載する。 CR-X500は、フルHD記録時は、30倍のズームも可能となっている。
キヤノンXCプロトコル
RTMP / RTMPS、NDI / HX、RTP / RTSPなどのプロトコルの他に、キヤノンが新しく開発したXCプロトコルもサポートしているため、他のキヤノン製品をシステム内で動作させることができる。なお、Cinema EOSシリーズカメラにも互換性のある新しいファームウェアをリリースする。
屋内モデルのCR-N500とCR-N300は、RC-IP100コントローラーや選択されたサードパーティコントローラーからリモート制御できるアプリケーションを使用できる。 CR-X500は、RC-IP100コントローラーとシリアル接続することも可能。
RC-IP100とリモートカメラコントロールアプリ
RC-IP100パネルは、1台で最大100台のPTZカメラを制御できる。フォーカス、ホワイトバランス、シャッタースピードなどの設定も可能。ジョイスティックとズームレバーがあり、カメラを段階的に動かしたり、ワイドズームとテレズームをスムーズに切り替えることができる。
パソコンやタブレットデバイス用の無料のリモートカメラコントロールアプリは、最大20台の同社PTZカメラを制御でき、そのうち最大9台がGUI画面にプレビューとして表示される。ソフトウェア制御により、アイリス、ホワイトバランス、ゲインなどのカメラの設定をパソコンのキーボードから微調整できる。
RC-IP100とリモートカメラコントロールアプリはどちらも、最大100のプリセットポジションと、リハーサルで10のカメラの動きを事前に設定でき、1つのボタンでシーケンスを開始できる。
価格と発売時期
CR-N300は、6月に発売予定で、価格は2,499ユーロ。 またCR-N500は、5月に発売予定で、価格は4,999ユーロとなっている。 屋外モデルのCR-X500は2021年7月に発売予定で、価格は未発表。 RC-IP100ハードウェアコントローラーは、2021年5月に発売予定で、1,899ユーロとなっている。なお国内の価格はオープン。
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