シグマはfp Lカメラを発表した。 これは61メガピクセルフルフレームベイヤーセンサー、クロップズーム機能、ハイブリッドオートフォーカスシステム、USB-C電力、および真の24pなど多くの新機能を備えている。 Fpと同様Lマウントを採用し、ボディ形状もfpと同じだ。 将来のファームウェアアップデートで新機能の追加も予定されている。新たに発表されたオプションのビューファインダーEVF-11は、90°チルト、USB-C出力を備え、0.5インチの高解像度OLEDディスプレイとヘッドフォン用の3.5mmジャックを備えている。 EVF-11は、fpとfp Lの両方に使用できる。
シグマは2019年7月、12ビットのCinemaDNG 4Kビデオを外部USB-C SSDに記録できる非常にコンパクトなフルフレームミラーレスカメラを発表し話題になった。 fpは、ライカLレンズマウントと固定LCDスクリーンを備えていたが、ファインダーは無く、fp用のルーペをアクセサリーとして用意していた。。
今回、シグマはfpシリーズの新しいカメラFp Lを発表した。カメラに加えて、チルトができる電子ビューファインダーEVF-11も発表した。以下はそれらの概要。
fp Lは61メガピクセルセンサー搭載
fp Lは、STILL / CINEの切り替えスイッチをはじめ、fp同様の多くのコントロールスイッチを搭載している。カメラ本体はfpと非常によく似ており、コンパクトなサイズを維持している。ソニーはα7Cでかなり小型化されたが、fpシリーズは現在のところ世界最小かつ最軽量のフルフレームミラーレスカメラの地位を堅持している。 なおfp Lは、後継ではなくfpも継続して販売される。
fp Lにはいくつかの新機能があるが、最も明白なのはイメージセンサーだ。 fp Lは、約61メガピクセルの解像度(fpは24.6メガピクセル)の裏面照射型35mmベイヤーセンサーを備え、モアレを最小限に抑えるローパスフィルターも備えている。
クロップズーム機能
高解像度センサーを搭載したことにより、STILLモードとCINEモードの両方でクロップズーム機能が可能となった。 fp Lは、デジタルズームなしで最大5倍ズームまでフルHDで記録できる。 LCDタッチスクリーンをピンチ操作してズームできる。
ハイブリッドオートフォーカス
fpに対するもう1つの注目すべき改善点は、オートフォーカスシステムだ。 fp Lは、コントラストと位相検出(fpはコントラストベースのみ)とタッチAF機能を組み合わせたハイブリッドAFシステムを備えている。動いている被写体を追跡する場合でも、STILLモードとCINEモードの両方で高速かつ正確にオートフォーカスが可能だ。
USB電源など
fp Lは、カメラの電源が入っている間、USB-C接続で充電できる。 fp LをWebカメラとして使用する場合、パソコンとUSB接続すると、オーディオ/ビデオ通信と電力供給ができる。
fp Lのカスタム設定をQRコードで保存し、簡単に共有することができる。 fp Lには、パウダーブルーとダブルトーンの2つのカラーモードが追加され、fpの13から15になった。
fp Lは23.976pモードに加えて、真の24pモードもサポートしている。 また、「カラーモードオフ」画像プロファイルの画質をさらに改善し、ホワイトバランスの調整に50Kを追加した。それ以外は、fpと、ビデオモードで使用できる解像度、フレームレート、コーデックに違いはない。
fp Lには、人気のシネマカメラの撮影範囲のシミュレーション、カスタムフレームラインを備えた新しいフレームガイド、スクリーンショット機能(表示ボタンとOKボタンを同時に押す)など、ディレクターのファインダーに不可欠なツールも含まれている。
以下は、新機能と改善点のリスト。
新機能:
- クロップズーム
- 真の24p
- カスタムフレームライン
- QRコードで設定を保存
- スクリーンショット(プッシュ表示とOKボタン同時押し)
- タッチAF
- LCDオフ
- タイムゾーンの設定
- クイックフォーカスフレームシフト
- ダブルトーンカラーモード追加
- パウダーブルーカラーモード追加
改善点:
- QSオプションを追加
- カラーモードOFF時の画質向上
- ディレクターファインダーに新しいカメラとモードを追加
- センターマーカーを追加
- アイリスプレビューを追加(静止モード)
- カスタムボタンオプションを追加
- 拡大中のフォーカスフレーム調整を追加
- フォーカスフレームの中央リセットを追加
- 対角線ガイドラインを追加
- WBの各調整に50Kを追加
- 新しいカメラ制御コマンドを追加
- 改善されたファイル形式
将来のアップデート
Fpのユーザーには、良いニュースがある。fp Lの新機能の一部が、将来のファームウェアアップデートでfpにも追加される。時期は未発表だが、真の24pモード、2つの新しいカラーモード、保存/読み込み設定機能、ディレクタービューファインダー機能が追加される。
EVF-11
もう1つの新製品はEVF-11で、これはfpとfpLの両方に対応する電子ビューファインダー。 1/4インチのネジでカメラの側面に接続できる。 EVF-11は、カメラのUSB-CポートとMicro HDMIポートに接続する。 HDMIポートはビューファインダーによって占有されてしまうが、EVF-11にはUSB-C出力があるため、USB-C出力は保持される。 EVF-11をオンにしても、外部SSDへの記録は可能だ。
EVF-11は、解像度が約368万ドット、倍率が0.83倍の0.5インチOLEDパネルを搭載している。 EVF-11のチルト機構は、最大90°まで上向きにできる。ファインダーの周りに暗いケラレがなく、完全な視野を確保するために、アイポイントは約21mmに設定されている。 EVF-11は、視度調整範囲が-4.0〜 + 3.0と広く、サイズの異なる2つのアイカップが付属している。
EVF-11は、USB-C出力の他に、ヘッドフォンで録音した音声をモニタリングするための3.5mmステレオミニジャックを備えている。カメラのマイク入力をブロックしないため、外部マイクとヘッドフォンを同時に使用することができる。 EVF-11の重量は114gで、その寸法はEC-31アイカップを含めて44.6 x 91.7 x 56.1mmとなっている。
2019年にfpとともに発売されたLVF-11ルーペは、新しいfp Lにも使用でき、より手頃な価格でモニターできる。
価格と発売時期
fp L (予約限定セット)が276,000円、fp L EVF-11Kit(予約限定セット)が331,000円、EVF-11は66,000円となっている。