Wonder Inventorsは、映像クリエーターがAIの支援により最適な音楽を入手できるようにする新しいサービスDynascoreをリリースした。このツールは、スタンドアロンアプリおよびAdobe PremierePro用の拡張機能として利用できる。 アプリはWindowsとMacに対応する。Dynascoreを使用すると、音楽ジャンルを選択し、映像の長さ、トランジション、一時停止、および終了に合わせて音楽トラックを調整するだけで映像に最適な楽曲が作成できる。
ここ数年、AIを使用する映像クリエーター向けのツールやソフトウェアが増えている。たとえば、Colourlab Aiは、AIでカラーグレーディングできたり、Audio Design Deskでサウンドデザインを行ったり、Pond5リサーチツールで映像素材の検索を行ったりできる。
ただし、音楽ライセンスが大幅に簡素化され、より手頃でわかりやすい製品が発売されているが、映像に合う音楽を探すことに関しては十分ではなかった。ほとんどの場合、音楽が映像に合うように、音楽トラックをカットして「リミックス」したり、イントロを短くしたりする必要があった。
Adobe PremierePro拡張機能を使用してこの音楽ソーシングプロセスを簡素化するSynclyMusicのようなツールはすでに存在する。しかし、Wonder Inventionsという若い会社がリリースしたDynascoreでは、映像に最適な音楽を簡単に作り出せる。
Dynascore = Dynamic + Score
Yextの共同創設者兼CEOであるHoward Lerman氏は、Dynascoreを運営する会社Wonder Inventionsを立ち上げた。映像クリエーターを対象としたDynascoreは、映像用の「オーダーメイド」の音楽作品を作成するように設計されているが、最初から音楽を作成するわけではなく、同社が「Masterworks」と呼んでいるものに基づいている。要するに、これらはパブリックドメインにある約1000曲のオリジナルから構成される。
開始するには、音楽に必要なムード、ジャンル、サブジャンル、楽器、テーマに応じて、ツールのライブラリを検索する。次に、楽曲を作成したら、トラックの長さと、音楽のトランジション、一時停止、終了を行う場所を選択する。 Dynascore音楽エンジン(AI)は、約1分で要件を満たす楽曲を作成する。これで、作成した曲がビデオと同期する。
映像に変更を加えても問題はない。新しい映像トラックにタイミングを調整するだけで、Dynascoreは映像を参照し、楽曲を再構築する。
また、別の種類の音楽が必要な場合は、数回クリックするだけで、同じタイミングで別のトラックに切り替えることができる。
使用法
Dynascoreのコンセプトは、AIが作り出す感情のない奇妙な音楽ではなく、本物の曲のように聞こえる音楽を作成することだ。音楽的に意味のある小さなパーツをシームレスに組み合わせることにより、楽曲を作成している。
Dynascoreの良いところは、すべてのトラックが制限なしに、ロイヤリティフリーであるということ。著作権やライセンスを時間をかけて調べる必要はない。
このソフトは単独のデスクトップアプリとしてだけでなく、Adobe Premiere Pro Extensionとしても利用できる。 Premiere Pro Extensionを使用すると、DynascoreはNLEに直接統合され、効率よく使用できる。
価格と発売時期
Dynascoreは現在入手可能で、20トラックを無料で試すことができる。引き続き使用する場合は、月額19ドルとなっている。
詳細については、Wonder inc.のウェブサイトを参照いただきたい。