SANDMARC Motion Pro可変NDフィルターは、フィルター径58/67/77 / 82mmが選択でき、3〜6ストップ(ND8〜64)の減光が可能。今回はこのNFフィルターをレビューする。
可変NDフィルターは、デジタル一眼レフ/ミラーレスカメラで普通に使われるようになった。ただし、VNDフィルターのクオリティは、メーカーや減光強度によって大幅に異なる場合がある。場合によっては、色かぶり、ケラレ、シャープネスの低下、さらにはクロスビネットが発生する可能性がある。
4月20日に出荷を開始したSANDMARCモーションプロ可変NDフィルターは、「本物の色を生み出し、露出を正確に調整し、他の可変NDフィルターで一般的に見られるクロスビネット(Xバー)を回避するシネマグラスから設計されている」と謳われている。
同梱品
フィルターにはポーチが同梱されている。現在、58/67/77 / 82mmの4つのフィルター径が選択できる。
SANDMARC Motion Pro VNDはアルミニウム製で、わずか7.2mmとかなり薄い。
フィルターの側面には、3から6までのマーキングがある。これらの数字は、ND8からND64の減光量を示している。また、このVNDフィルターは両端にハードストップが付いているため、ぐるぐる回ってしまうことは無い。
しかし不可解なのは、フィルターをレンズの前面に装着すると、マーキングが常に下向きになるということだ。カメラの下から確認する必要があり、非常に見難い。
色再現性
レンズの前にフィルターを付けると、どのようなものであろうと、シャープネスや色再現の点で不利になる。しかし最高のフィルターは、最小限の色かぶりで、画像の鮮明さをほとんど失わない。
そこでまず、色かぶり/再現性を観ることにした。そのために、適切な照明環境でキヤノンEOSC70を使用し、合計7つのテストを行った。フィルターなし、カメラ内蔵NDフィルター(2/4ストップ)、およびSANDMARC Motion ProVND の3/4/5/6ストップの7種類だ。各ショットで照明設定を変更しなかったが、露出/シャッター速度の設定を調整して、各ショットで同様の露出が得られるようにした。
次に、ポストプロダクションで、各ショットのゲインを調整して、露出の点で可能な限り一致するようにした。ポストプロダクションでは、ホワイトバランスの変化は無いことが分かった。(各画像をクリックするとフルサイズのプレビューが表示される)
お分かりのように、EOS C70の内蔵NDフィルターでさえ、色の変化を最小限に抑えている。 SANDMARCモーションプロ可変NDに関しては、少し暖かい色かぶりがあるが、大したことではない。他のフィルターでは緑やマゼンタ側の色被りが多く、肌の色に影響を与えるものもある。
全体として、良好な結果と言え、メーカーの主張はおおむね正しい。
シャープネス
もう一つのテストはシャープネスだ。すべてのファイルを比較するために、各4Kファイルを400%拡大した。
フィルターにより、シャープネスが少し低下していることがわかる。ただし、EOSC70の内蔵NDフィルターでも、同様の結果となる。
まとめ
SANDMARC Motion Proの可変NDフィルターは完璧とは言えないが、納得できる性能と言える。ただし先述のように、フィルターの読み取り値の表示はいただけない。
また、フィルターのマーキングがわずかにずれていることが分かった。フィルターの4ストップは、内蔵NDフィルターの4ストップと比較して正確ではなかった。テストで2つを比較すると、約3.5ストップであることが判明した。
しかし品質に関しては、不満はほとんどない。デジタル一眼レフ/ミラーレスに装着しても、画質を犠牲にすることほとんどないだろう。
価格と発売時期
SANDMARC Motion ProVNDは現在購入できる。 フィルターポーチと生涯保証が付いている。 価格は58mmバージョンで129.99ドルから、82mmバージョンで159.99ドルとなっている。
比較すると、Moment VNDフィルターは約10ドル高く(範囲:2〜5ストップ)、PolarPro Peter McKinnon VNDは249ドル(範囲:2〜5ストップ)だ。
詳細については、SANDMARCのWebサイトを参照いただきたい。