キヤノンは、EOS R6のファームウェアv1.4.0をリリースした。このファームウェアでは、互換性の向上とバグの修正に加え、Canon Log 3と、2枚のメモリーカードへの同時動画記録機能が追加されている。このアップデートは現在、無料でダウンロードすることができる。
2020年7月に発表された「EOS R6」は、動画の撮影には向いていないかもしれない。オーバーヒートの問題や録画時間の制限に加え、R6はこれまでCineDでテストしたフルフレームカメラの中で、最悪のローリングシャッターとダイナミックレンジを示している。(ラボテストの詳細はこちら)
しかし、ファームウェアアップデートにより新機能を追加したり、問題を修正したりされている。
Canon Log 3
Canon Log 3は、3月にEOS R5に搭載された。今回はR6に搭載される。
このカメラにはすでにCanon Log 1が搭載されている。このガンマカーブは、もともとC300用に設計されたもので、8bitエンコードに最適化されている。しかし、Canon R6は4:2:0 8bitと4:2:2 10bitの2種類の記録方式を採用しているので、10bitに適したガンマカーブを採用しても問題ない。
Canon Log 3は10bit記録を意識して設計されており、EOS R6のセンサーとの相性も良いはずなので、ぜひ試してみたいところだ。
最もアグレッシブなキヤノンカーブであるCanon Log 2は、R6のセンサーの性能を考えると、多少無理があるかもしれない。
ガンマカーブの選択肢が増えたことは素晴らしいことだが、ログ撮影が必ずしも最良の解決策ではないことを常に念頭に置いておく必要がある。ログカーブは、高ダイナミックレンジのシーンに有用だが、低照度の状況やスタジオ環境では逆効果になることがある。
同時記録
Canon R6はデュアルSDカードスロットを搭載している。今回のファームウェアでは、2枚のカードに同時に動画を記録する機能を追加した。カメラ内でバックアップができるので、より信頼性の高い撮影ができる。
さらなる改善
今回のファームウェアでは、RF400mm F2.8 L IS USMおよびRF600mm F4 L IS USMレンズと組み合わせた際の動作安定性も改善される。
また、録画ボタンを押した直後に、手ブレ補正がすぐに効かなくなる問題があったが、現在は修正されている。
また、HDMI接続時に不要なゼブラが表示される不具合も解消されている。
ダウンロード
EOS R6用のファームウェアv1.4.0はすでに公開されている。キヤノンのウェブサイトから無料でダウンロードできる。