パナソニックはシグマとライカとともにLマウントアライアンスを発足し、コスト効率の良いネイティブレンズを開発している。中でも新しいLumix Sシリーズのすべてのレンズは一貫してF1.8で統一している。50mmが発売されたばかりで、35mmも計画されているが、最初に出荷されたのはLUMIX S 85mmレンズで、今回はこのレンズをレビューする。
ファーストインプレッション
ポリカーボネート製のボディに9枚のレンズと8枚の絞り羽根を搭載したLumix S f/1.8は、わずか355gという軽さで手に馴染む。飾り気のないデザインで、AF/MFスイッチと幅広のマニュアルフォーカスリングが唯一の操作部となっている。レンズISは持たないが、この価格帯では期待していないし、LUMIX Sシリーズのカメラには優れたISが搭載されているので、大きな問題は無いだろう。
手にしたときの感触もよく、軽量(参考までに、シグマ85mm DG DN Art F1.4 Lマウントの半分の重さ)なので、テストしたLumix S1Rと小型のLumix S5のどちらボディでも軽快に撮影できた。
ポートレートレンズとして
フルフレームの85mmは写真でもビデオでも標準的なポートレートレンズなので、LAのダウンタウンでの個人的なプロジェクトで使ってみた。ほとんど自然光で、標準的なヘッドショットと、よりエディトリアルなスタイルの写真を、すべてF1.8の開放で撮影した。
このレンズを使ってみてすぐに感じたのは、シャープでとても明るいということだった。AFは問題なくアイフォーカスし、しっかりとしたコントラストで非常に詳細に描写されている。色彩的には、高価な同種のレンズに比べて深みがないが、これはエディターで簡単に修正できる。
ボケのロールオフはかなりきつい(ピントが突然合わなくなる)が、それでも背景との美しい分離が得られる。ボケ味は全体的に優れた品質でうるさくない。
ビデオ
2台のカメラを使ったインタビューでは、クローズアップの長さとして85mmを使うのが好きなので、いくつかテストをしてみた。最も驚いたのは、AFが非常に適切だったことだ。木々を背景に顔のトラッキングはテストしていないが、インタビューのような状況で顔をトラッキングできた。S5のレビューで試したときよりも、AFが改善されているのではないだろうか。
マニュアルフォーカスはフライ・バイ・ワイヤ方式で、ハードストップはないが、ワイドグリップでのスローイングはまずまずだ。フォーカスブリージングはかなりはっきりしている。正確で再現性のあるマニュアルフォーカスが必要な場面はこのレンズは適していない。
要約
- シャープ!!
- 軽量
- リーズナブルな価格
- 写真でも動画でもLUMIXのAFと相性がいい
- 商用レベルのコントラストと色再現性
- 心地よいボケ味
- 最短撮影距離 80cm
- 埃、湿気、凍結に強い
- 完全なウェザーシールドではない
- レンズによる手ブレ補正がない
まとめ
個人的はこの小さな85mmレンズを気に入っている。この85mmレンズと50、35、そして願わくばもっと多くのプライムのは、2019年にLumix Sシステムと一緒に、あるいは少なくともその年の後半、9月に発売されたLumix S5と一緒に発売されると良かったのだが。
パナソニックの85mmレンズは、73,260円で販売されている。ポートレート/イベント作品やインタビュー動画を撮影するS1、S1H、S1R、S5のオーナーにとっては必携のレンズだ。期待を裏切ることは無いだろう。もちろん過酷な環境での撮影に適しているとは言えないが、通常の環境で主に人物を撮影するのであれば、十分に使えるレンズだ。