ファーウェイはワイヤレスプロジェクション機能を備えた28.2インチのHuawei MateView 4K+モニターを新たにラインナップに加えた。Huawei MateViewは10ビットモニターで、sRGBの色空間を100%、DCI-P3を98%カバーしている。実売価格が699ユーロというのは魅力的だが、動画編集に向いているかを検証する。
中国の大手ハイテク企業であるファーウェイは、スマートフォンやタブレットで世界的に有名だ。しかし、同社はデスクトップモニター市場にも進出している。
デルの「Ultrasharp U2720Q」などと競合する新製品「Huawei MateView」は、そもそもファーウェイのユーザー向けに開発されたものだが、その技術的なスペックは、ビデオ編集者にとって興味深いものかもしれない。
ディスプレイの概要
まずは最も重要な点であるディスプレイから。新しいHuawei MateViewは、28.2インチのIPSディスプレイを搭載し、解像度は3840×2560ピクセル。これは4Kを少し超えるサイズだ。
これは16:9のモニターではなく、3:2のモニターだ。このアスペクト比は、映像制作者にとっては少し珍しいかもしれないが、編集中に多くのビデオやオーディオトラックを表示するために、縦方向のスペースが確保されている。
特にフルスクリーンで表示する場合には16:9のコンテンツのアスペクト比のディスプレイが適している。しかし、縦方向に余裕があると、タイムラインをスクロールする必要が無い。
ディスプレイの標準的な輝度は500nits、コントラスト比は1200:1、リフレッシュレートは60Hzと、この価格帯のモニターとしてはかなり良いスペックを持っている。
また、HDR400、TÜV Rheinland Low Blue Light、Flicker-Freeの認証も取得している。
色精度
ファーウェイによると、このモニターはsRGBの色空間を100%、DCI-P3を98%カバーしている。DeltaE値はsRGBで1以下、DCI-P3で2以下を謳っている。この値が低ければ低いほど、モニターの色忠実度は高くなる。
さらに、本機は10ビットディスプレイで、全体として、Rec.709のワークフローで作業する場合、ほとんどの用途で十分な色精度を提供できるはずだ。
もちろん、内蔵の測色計やハードウェアキャリブレーションなどのハイエンド機能がないため、理想的な色補正モニターではない。
スマート機能とワイヤレスプロジェクション
画面のボタン部分には、目的の機能に素早くアクセスできるSmart Barがある。例えば、5Wのデュアルスピーカーの音量を簡単に調整したり、異なる入力ソースをシームレスに切り替えたりすることができる。
さらに、スマートフォンやタブレットなどの外部機器からのワイヤレス低遅延投写にも対応している(FullHDに限る)。ただし、この機能は特定のデバイスにしか対応していないようだが、ファーウェイは明確にしていない。この件については、カスタマーサポートに問い合わせることとしている。
これらの機能の中には、ビデオ編集には必須ではないものもあるが、生産性を向上させる便利なものもあるので、特にファーウェイのデバイスをすでに使っているユーザーにはお勧めだ。
薄いデザイン
ミスティックシルバーのカラーで、シンプルで薄く、エレガントなデザインとなっている。さらに、6mmのサイドベゼルはほとんど目立たず、気にならない。
スタンドはステンレス製のヒンジを介してスクリーンに接続されており、モニターを調整する際にスムーズな動きができる。ディスプレイは垂直方向に110mm動かすことができ、-5°から18°の範囲で前後に傾けることができる。
最新の接続性
新世代のモニターであるHuawei MateViewは、しっかりとしたコネクティビティ構造を備えている。2つのUSB-Cポートを搭載しており、1つは電源供給専用、もう1つはビデオ入力、データ転送、65Wの充電電力に対応している。
また、HDMI 2.0とMini DisplayPort 1.2も搭載している。
2つのUSB Type-Aポートは、追加のアクセサリーを接続することができ、3.5mmジャックは、ヘッドセット出力またはマイク入力として機能する。
価格と発売時期
6月に初めて発表された「Huawei MateView」は、現在ファーウェイのウェブサイトで予約を受け付けている。8月4日から出荷予定。小売価格は699ユーロとなっている。
いくつかの機能はHuawei以外のユーザーには使えないが、このモニターのスペックと価格帯を考えると、検討する価値はあるかもしれない。