シグマへのインタビュー - レンズとカメラを作り続けて60周年
先日、日本を訪問した際に、シグマの山木和人氏にお話を伺う機会があった。氏のリーダーシップにより、シグマは愛され、尊敬されるレンズとカメラのメーカーとなった。今回は、そのインタビューを紹介する。
すでにご存じの方もおられると思うが、近年、私にとって日本は第二の故郷のような存在になっている。そのため、様々な著名なメーカーの方々と直接お話しできることにとても感謝している。最近では、パナソニックの映像事業部長の山根氏や、キヤノンの戸倉氏にもお話を伺った。今回は、レンズとカメラを作り続けて60周年を迎えたシグマの山木和人氏に、東京から1時間以上離れた本社でインタビューさせていただいた。
シグマは尊敬すべき会社だ。日本のカメラ・レンズメーカーの中では比較的小さな会社だが、メイドインジャパンの高品質な製品を適正な価格で提供することに注力している。
私と山木氏は、会社の歴史や今後の計画、Foveonセンサーの将来性など、さまざまなテーマで話をした。このインタビューをお読みいただければ幸いだ。また、シグマに追加の質問をされたい読者は、下記のコメント欄にご記入いただければ、メーカーに伝えられるように最善を尽くしたい。
インタビューのハイライト
- 創業者の山木道弘氏は会社を大きくすることに努力されたが、ご子息の山木和人氏は会社の規模よりも最高の品質の製品を作ることを重視されている。
- 近年のパンデミックをきっかけに、シグマはオンラインマーケティングツールを積極的に活用するようになった。顧客に的確にアプローチすることが、シグマにとって最も重要なコミュニケーション手段となっている。
- SIGMA fp-Lは、従来のモデルとの共存はもちろんのこと、より多くのユーザーにカメラの可能性を追求していただきたいと考えている。ユーザーからのフィードバックをもとに、次の展開を考えている。
- また、会津の工場では、精密加工や品質管理のための機械を増設している。
- シグマにとって、カスタマーサポートは非常に重要だ。そのためには、カスタマーサポートチームが働きやすい環境を整える必要がある。
- 小型のミラーレスカメラに適したパンケーキレンズは、なかなか作ることができないが、シグマは常に新しい可能性を追求している。
- 映画監督からは、アナモフィックレンズを作ってほしいという要望が多く寄せられている。
- また、富士フイルムのカメラが人気で、シグマのXマウントのレンズが必要とされているという認識もある。
- 日本の企業は、ある分野では協力し合い、ある分野では競争し合うことを考えるべきだと思う。
- Foveonセンサーの開発は進んでいるが、読み出しデータ量が膨大になるため、動画は優先されない。
私の質問に丁寧に答えていただいた山木和人氏に感謝する。