キヤノンは、キヤノンRFカメラ、特にキヤノンEOS R5用の新しいレンズ、「キヤノンRF 5.2mm F/2.8L Dual Fisheye 3D VR」を発表した。RF 5.2mm F/2.8L Dual Fisheye 3D VRは、その名の通り、立体的な3Dバーチャルリアリティ(VR)コンテンツの撮影を可能にするユニークなレンズだ。このレンズと同時に、EOS R5のファームウェアアップデートとAdobe Premiere Pro用プラグインもリリースされ、VRコンテンツの撮影がスムーズにできるようになる。
キヤノンは、印象的なスペックを備えたEOS R3と、新しいレンズRF 16mm F/2.8 STM、RF 100-400mm F/5.6-8 IS USMを発売したが、それから1ヶ月も経たないうちに、新しいオンリーワンのレンズである「RF 5.2mm F/2.8L Dual Fisheye 3D VR」を発表した。
特徴
まず、「RF 5.2mm F/2.8L Dual Fisheye 3D VR」は、EOS R5専用のレンズであることをお伝えしておきたい。
実際、このレンズは同じセンサー上に2つの魚眼画像を「印刷」するので、この立体レンズを最大限に活用するには、EOS R5の高い解像度(例えば8K動画撮影)が必要になる。
RF 5.2mm F/2.8L Dual Fisheye 3D VRは、全体で190°の視野を持ち、ポストプロダクションで合成すると、180°のVR結果が得られる。
Acキヤノンは、「Canon RF 5.2mm F/2.8L Dual Fisheye 3D VRレンズは、瞳間距離を60mmに設定し、対応するヘッドセットで見たときに、人間の視覚に近い自然な視差でVRの3D画像を提供できるように設計されている。撮影した映像をOculus Quest 2などの対応ヘッドマウントディスプレイで見ると、まるで自分が物語の一部になったかのような感覚を味わうことができる。」と述べている。
左右の魚眼レンズは、それぞれ独立した光学系を持っており、それらが連携して2つのレンズの露出をシームレスかつ同時に制御している。
レンズ構成
RF 5.2mm F/2.8L Dual Fisheye 3D VRのレンズ構成は、2枚の超低分散レンズと色収差をほぼ抑えるプリズムを含む10群12枚で構成されている。また、レンズにはSSC(Subwavelength Structure Coating)を施し、ゴーストや反射を低減している。
前玉にはフッ素コーティングを施し、埃や水の付着を防ぐ。併せて、防塵・防滴にも対応している。
このレンズはマニュアルフォーカスレンズで、最短撮影距離は0.2m。また、左右のレンズのフォーカスを同時に調整することができる。左右差調整ダイヤルもある。
RF 5.2mm F/2.8Lは、デザイン上、フロントフィルターの装着が不可能に近い。しかし、レンズの後部にはゼラチン製のフィルターホルダーが内蔵されている。
EOS VRユーティリティとAdobe Premiere Pro用プラグイン
RF 5.2mm F/2.8Lに合わせて、「EOS VR Utility」と「EOS VR plug-in for Adobe Premiere Pro」の2つのツールを発売する。
「EOS VR Utility」は、魚眼レンズで撮影した写真や映像を等緯線に変換し、解像度やファイル形式を変更して書き出すことができる。
Adobe Premiere用のEOS VRプラグインは、映像や編集物を “通常の “等緯線画像に変換するので、普段通りの編集が可能になる。
価格と発売時期
RF 5.2mm F/2.8L Dual Fisheye 3D VRは、2021年12月下旬に発売予定で、現在フジヤカメラで247,500円で予約を受け付けている。
また、「EOS VR Utility」と「EOS VR Plug-in for Adobe Premiere Pro」も同時に発売されるが、非公開の月額/年額料金を支払う必要がある。EOS VR Utilityの中で、静止画と一部のビデオクリップを無料で処理することができるフリートライアルを実施している。
詳しくは、こちらのキヤノンのホームページをご覧いただきたい。