ZoomはR20を発表した。これはオーディオの録音、編集、ミキシングを行うための卓上型ソリューションだ。最大16トラック(8トラック同時)の録音が可能で、タッチスクリーンインターフェースと色分けされた操作部で、簡単に操作することができる。最大1TBのSDXCメモリーカード、USB-C出力、モニター用のヘッドホン/ラインアウト端子などをサポートし、現在400ドルで販売中。
日本のオーディオメーカーのズームは、オーディオレコーダーで主に知られている。ポータブルフィールドオーディオレコーダーといえば、現在、小型の「Zoom F2」(2020年11月発表)から、超高性能の12トラックレコーダー「Zoom H8」(2020年7月発表)までラインアップされている。これらはかなりポータブルだが、今回発表されたZoom R20は、少し異なっている。
Zoom R20マルチトラックレコーダー
ズームが述べている通り、フォームファクター的に、R20はオーディオの録音、編集、ミキシングのためのテーブルトップソリューションだ。4.3インチのカラータッチスクリーンディスプレイとフェーダーやゲインダイヤルのような色分けされたコントロールでDAW(デジタルオーディオワークステーション)のようなインターフェイスを実現している。最大16トラックのオーディオ録音が可能で(8トラック同時録音)、また8×4(8入力/4出力)のUSBオーディオ・インターフェースとして,ほぼすべてのオーディオ制作ソフトで使用できる。
ズームによると、R20は、コンピュータを使わずに比較的簡単に複数のオーディオトラックを録音し、ミックスする。主にミュージシャンやバンドなど、手軽に曲作りができる人向けだが、私たちの業界のユーザーにとっても、Zoom H8に代わる有用な選択肢になるだろう。特に、撮影現場で直接手早くオーディオミキシングが必要な場合には有用だ。
Zoom R20は、最大24bit/44.1kHzで、BWF準拠のWAV形式の音声を録音することができる。8つのプリアンプ、チャンネルストリップ、ドラムループ、シンセサウンド、圧縮、EQ、ゲーティングなどのデジタルプロセッシングを搭載している。XLR入力が6系統、コンボ入力が2系統ある。
R20は、SDHCカードまたはSDXCカード(最大容量1TBまで対応)に直接記録する。また、録音中のモニタリング用に1/4″ヘッドホン端子、オーディオモニターでのミキシング用に専用の1/4″ライン出力を装備している。48Vファンタム電源は、入力5~8で、チャンネルごとにペアで切り替え可能だ。R20の電源アダプターはロック式で、不用意にプラグが抜けることはない。
R20のインターフェースを介して、録音した音声をカット、コピー、合成、ループさせることができ、直感的な編集が可能としている。また、リズムパターンや内蔵シンセ音など、特にミュージシャン向けの機能が充実している。入力1にはエレキギターやベース用のHi-Z(ハイインピーダンス)入力が用意されている。
コントロールアプリ
Bluetoothアダプター「Zoom BTA-1」を別途購入することで、「R20 Control App」を起動したiOSデバイスからR20をワイヤレスでコントロールできるようになる(2022年提供開始予定)。コントロールアプリによるVoiceOverやVoiceOver Gesturesにより、視覚障がい者向けのアクセシビリティを実現する。
価格と発売時期
Zoom R20は、Zoom H8の販売価格と全く同じ400ドルで現在販売中。BluetoothアダプターのZoom BTA-1は40ドルとなっている。