かつて、照明技術は3つに分けられていた。写真にはストロボ、映画やビデオにはタングステンとHMIがあり、演劇のプロダクションはステージ上でさまざまな照明効果を作り出すためにモディファイアが使われていた。やがてLEDが主流となり、写真と映画・映像の照明が重なり合うようになった。そして今、GoboPlusキットによって、演劇の技術は写真やビデオの領域へと境界を越えようとしている。
Goboとは、金属製の薄い円形の中心に絵柄が刻まれたものだ。この円盤を照明器具に挿入することで、照明デザイナーは、光を使って舞台上に特定の形を作り出すことができる。例えば窓の形をしたGoboや木の影のGoboがある。
照明デザインの影絵のようなものだと思えばよいだろう。ビデオや写真の連続点灯に特化した照明メーカーが製品ラインアップを充実させたことで、Goboがツールキットに組み込まれるようになった。GoboPlusのキットにより、演劇の技術を利用することで、舞台から映画のセットに同じ創造的な機会がもたらされることが期待される。
GoboPlusキット
2013年に設立されたGoboPlusは、Goboを作るという1つのことに専念してきた。写真や映像のクリエイターが自社製品を購入することに注目し、新たなニーズに応えるべく品揃えを充実させている。これまでゴボは演劇で使用されてきたが、 Aputure Spotlight Mountなどの製品や独自のゴボラインの導入により、メディア間の境界線がなくなった。
GoboPlusのキットは、写真や映像のクリエイター向けに9種類のオプションがある。これには、Broken Light、Foliage、Funky、Enter the Light、Windows、Constructive、Organic、Geometric、Aperturesの各ゴボが含まれている。
各キットには、一般的な光源に適合する5種類のゴボがある。GoboPlusによると、Pixapro、Bowens、Aperture、Broncolourなどの照明器具に互換性がある。しかし、これは1つのサイズですべてのソリューションに対応するものではなく、ユーザーはGoboを使用するためにどのアダプターが必要かを考えなければならない。例えば、GoboPlusキットは、スポットライトマウントを使用しないAputureライトでは使用できない。
また、サイズも問題だ。 Aputure Spotlight Mountを例にとると、ユーザーは直径86mmのBサイズのGoboを購入する必要がある。これより大きいものは入らないし、小さいものはゴボディスクを通して光が漏れてしまい、目的を達成することができない。
必要性
フォトグラファーやフィルムメーカーで、ライティングセットアップにシルエットを使用する場合、Goboは必需品だ。フォトグラファーやビデオグラファー向けのGoboPlusキットの価格は65ポンド(~86.20ドル)で、クリエイティブな機会を提供するためには妥当な価格と言えるだろう。
Aputureは10個のGoboキットを59ドルで提供しているが、GoboPlusと比較すると、その品揃えは限られている。もう、窓のシルエットを作るために照明にフラグを立てたり、必要な効果を出すために木の枝を使ったりする必要はない。
GogoPlusが提供するセレクションは、同社のウェブサイトから確認できる。