トキナーのシネマ21mmと29mm T1.5 Vistaレンズは、2022年初頭にVistaプライムラインの既存の焦点距離レンズを補完し、ルックと物理的スペックの両方を一致させる予定で、今回この2本のレンズの開発を発表した。すでにプロトタイプが実際のプロダクションでテストされており、開発の最終段階にある。
日本の光学メーカー、トキナー(トキナーシネマ)のシネマレンズの中で最も人気があるのは、おそらくVista T1.5 Primeシリーズだろう。その名の通り、このプライムレンズシリーズは、大判の「ビスタビジョン」センサーをカバーする大きなイメージサークルを提供しながら、ラインアップ全体でT1.5という非常に明るい開放F値を維持しているのが特徴だ。
当初は標準的な焦点距離の7本でスタートしたが、DPのための選択肢を増やすため、その中間の焦点距離のレンズを追加し続けた。2020年11月に40mm T1.5レンズを初めて追加し、2021年1月には65mm T1.5レンズを追加している。そして今回、Vistaライン用の2本のレンズ、21mm T1.5と29mm T1.5の開発を発表した。
トキナーシネマ21mmと29mm Vista T1.5
現在、トキナーシネマビスタのレンズラインには、以下の焦点距離のレンズが存在する。
- 18mm T1.5
- 25mm T1.5
- 35mm T1.5
- 40mm T1.5
- 50mm T1.5
- 65mm T1.5
- 85mm T1.5
- 105mm T1.5
- 135mm T1.5
21mm T1.5と29mm T1.5の2本の焦点距離を加え、合計11本のレンズがラインナップされることになる。トキナーシネマによると、新しいレンズは、物理的なスペック(前面直径114mm)とルックの両方で、既存のVistaプライムラインと一致するとしている。すべてのVistaプライムレンズは、8K以上の解像度に対応する高品質なレンズを採用しており、将来性も十分にあると思われる。
両レンズの技術的な詳細についてはまだ公表されていないが、既存のVistaプライムと同じ光学特性を維持すると思われる。トキナーシネマによると、他のレンズと同様に、歪曲収差と色収差は良好に制御される。また、フォーカスブリージングが少なく、ソフトで心地よいフレアと被写体から背景へのなだらかなロールオフを実現するよう設計されている。
既存のVistaプライムと同様に、新しい21mmと29mm T1.5レンズには、交換可能なARRI PL、EF、MFT、ソニーE、ARRI LPLマウントが用意されている。
また、トキナーシネマによると、このレンズは開発後期にあり、すでにプロトタイプがフィル・ホランドやアレックス・ジェイコブスといったDPの作品に使用されており、2022年初頭には発売できる予定としている。
VistaプライムはTed Lasso(Apple TV)、The Wilds(Amazon Prime)、Vigil(BBC)など、様々なプロダクションで使用されている。
価格と発売時期
今回はあくまで開発発表ということで、トキナーシネマは新レンズの価格や入手方法に関する情報をまだ公開していない。
トキナーレンズの一覧はこちら。