オーディオ専門メーカーであるズームは、新製品“Zoom Q8n-4K “を発表した。”Zoom Q8n-4K “はオーディオ優先のビデオカメラであるだけでなく、2018年に発売されたQ2n-4K(記事はこちら)の直接の後継機でもある。
少し前に発表されたカメラ・オーディオレコーダーの新製品だが、購入できるようになったのは最近だ。
オーディオ優先のビデオカメラというコンセプトは一見奇妙に思えるかもしれないが、よくよく考えてみると理に適っている。このカメラも2018年の先代モデルも、たとえばミュージシャンに最適なカメラなのだ。
レコーディングセッションを視覚的に捉えつつ、一流のオーディオを録音できることは、こうしたミュージシャンの多くにとって最も重要なことと言える。追加されたビデオ機能が単なる付録ではないが、もちろんここではサウンドが最重要視されている。
Zoomは、ミュージシャンだけでなく、映像制作者やポッドキャスターなども、新しいハンディビデオレコーダー「Q8n-4K」のターゲットと考えることができると述べている。
Zoom Q8n-4K
新型カメラ「Zoom Q8n-4K」は、その名の通り、MPEG-4 AVC/h.264で最大4K30p UHD動画の(1080/720p @ 60fps)撮影が可能。使用するレンズは、焦点距離(およびフォーカス)が固定で、開放F値はF2.8となっている。正確な焦点距離は不明だが、視野角は150°に設定されており、かなり広角なレンズを持つ。また16メガピクセルの解像度を持つ1/2.3″CMOSセンサーを搭載している。
このように、動画のスペックはちょっと物足りないが、メインとなるオーディオの仕様は以下の通り。
オーディオスペック
他のズームオーディオレコーダーと同様に、Q8n-4Kはカメラ本体の2つのXLR入力(ファンタム電源:+12 V / +24 V / +48 V)を介してプロフェッショナルなオーディオ信号を処理できるだけでなく、上部に特別なマイクモジュールがあり、異なる特性を持つ様々なマイクモジュールと交換することが可能となっている。
ショットガンモジュール、XY/ABステレオモジュール、VRモジュールの2種類と、XLR延長モジュールが用意されている。120°のXYQ-8ステレオモジュールも同梱される。
音声は、最大96kHz/24bit、16bitのWAVで収録している。48kHz/24bit、16bit、44.1kHz/24bit、16bitも可能。高度なオーディオフィルターとしては、Zoom Q8n-4Kは以下のものを備えている。
- LoCut Off / 80 Hz / 120 Hz / 160 Hz / 200 Hz / 240 Hz
- Fx: Off / リミッター / コンプレッサー / レベラー / ディエッサー / ノイズゲート
- レベル -∞ dB – +10 dB
- パン L100 – センター – R100
- ディレイ 0ms、10ms … 300ms(Webカメラ使用時のみ)
- ダイレクトモニタ オン/オフ(Webカメラ、USBマイク使用時のみ)
オーディオモジュールは折りたたむことができるため、携帯に便利だ。Q8n-4Kの背面には2インチの液晶ディスプレイがあり、自撮り用に180°反転させることができます。しかし、多関節ではなく、解像度も320×240と少し物足りない。
ウェブカメラ
Zoom Q8n-4Kは、リモート会議用にノートパソコンに内蔵されているフロントカメラのアップグレードとして機能する。そのためには、カメラをUSB(Type C)でパソコンに接続する必要がある。ただし、その場合、Q8n-4Kは1080pビデオと48kHz/16Bitオーディオに制限される。
その他のスペック
Zoom Q8n-4Kは、バッテリーを含む重量が367gで、1080p動画を最大2.5時間(4K撮影時は約80分)記録することが可能。最大512GBのmicroSD / microSDHC / microSDXCカードが使用可能だ。必要に応じて、専用アプリ(iOS/Android)でカメラを遠隔操作することも可能だが、その場合は別売りのBluetoothアダプター「BTA-1」が必要となる。
寸法は以下の通り。
- 68.0 x 65.0 x 159.0 mm マイクアーム折り畳み時
- 68.0 x 135.0 x 134.0 mm マイクアーム使用時
接続端子としては、ライン/ヘッドホン兼用のステレオミニジャックと、映像用のマイクロHDMI端子を装備している。
価格
Zoom Q8n-4Kは現在予約受付中で、販売価格は399.99ドル。カメラとプロ用オーディオレコーダーがこのような低価格で提供できるかどうかはまだわからないが、ストリーマー、ミュージシャン、そしておそらく映像制作者にとって、このデバイスは非常に有用である可能性がある。
Link: Zoom website