ZOOMは、デュアルADコンバーターを搭載した32ビット8チャンネルフィールドレコーダーのフラッグシップモデル「F8n Pro」を発表した。2015年に発売された初代 Zoom F8を本格的にバージョンアップし、様々なプロダクションに多くのユーティリティを提供する。
ZOOM F8n Proは、8つのXLR入力を備え、最大10トラック(8入力+L/R)のWAV形式192kHz、32bitでの同時録音が可能。
ズームによると、デュアルADコンバーターと32bitフロート録音の組み合わせにより、ゲイン調整不要で音割れのない音声録音が可能としている。
32ビットフロート録音に対応したオーディオレコーダーは、ここ数年、徐々に市場に出てきている。ZOOMでは現在、他にZoom F2、F3、F6の3機種の32bitレコーダーを製造している。
特徴
- 圧倒的なダイナミックレンジを実現するデュアルADコンバーター
- 32bitフロート記録対応(16bit/24bitも選択可)
- 8チャンネル入力、最大10トラック(8ch+L/R)同時録音可能
- 最大192kHzサンプリング/32bitフロートWAV形式でのハイレゾ録音が可能
- 最大ゲイン75dB、EIN -127dBuの超低ノイズフロア設計の高品位プリアンプを搭載
- ノイトリックXLR/TRSコンボ入力(8ロック機構付き)
- マイク/ライン(+4dBu対応) 入力ソース切替可能
- 映像との正確な同期を実現する24時間で誤差0.5フレーム以内の高精度なタイムコード
- ピークを事前に読み取り、オーバーロードを防ぐ高機能リミッター
- 複数のマイク入力のレベルを自動調整するZOOMオートミックス機能
- 電源は3系統。単三電池8本、外部DC電源、12V ACアダプター使用可
- 各チャンネル独立トラックノブ、6セグメントLEDレベルメーター、PFL / Soloスイッチ
- ミニXLR(TA3)バランスメイン出力×2、ステレオミニ仕様サブ出力×1を装備
- ボリュームコントロール付きヘッドホン端子(出力100mW)
- 2.4インチフルカラーバックライトLCD(モノクロモード付)
- 最大1TBのSDXCに対応したダブルSDカードスロット
- スレートマイク内蔵/スレートトーン(スイッチ付)
- 8入力/4出力、最大96kHz/32bit float対応USBオーディオインターフェース機能
- 内蔵SDカードへの録音と同時に、USBオーディオ出力でPCへのバックアップ録音が可能
- VRマイクによる360°空間音声 録音を可能にするアンビソニックモードを搭載
- Bluetooth接続によるAndroid * / iOSアプリ「F8 Control」からの遠隔操作(*Android版は2022年3月以降にリリース予定)
- オプションのミキサー型コントローラー「F-Control」 物理的なフェーダー操作が可能
- オプションのZOOMマイクカプセルを接続可能(XAH-8、EXH-8、VRH-8は非対応)
競合
Sound Devicesには、ZOOM F8n Proと直接競合するオーディオレコーダーがいくつかある。Sound DevicesのMixPre-6やMixPre-10は、同様の32bit floatで録音するが、Zoomは Sound Devices 833に対してこの製品を明確に位置づけている。このレコーダーの中にあるすべての機能を使えば、優位性があるだろう。
Sound Devices 833は現在5,250ドルで販売されており、Zoom F8n Proはその1/5程度の価格になると思われる。
価格と発売時期
ZOOM F8n Proは、現在日本国内のみの販売となっており、グローバルでの価格情報は未発表。オリジナルのF8とF8nは1,000ドル弱の価格だったので、今回のアップデートもそれにかなり近い価格になると予想される。2022年2月末発売予定。
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