ZILRは、カメラのバッテリーや高品質のビデオケーブルで知られるメーカーだ。最近、同社はUSB-Cドック/ハブ/ドングルにストリーミングとウェブ会議機能を追加した。ZILR Lumin Streaming Hubは何ができるのか、お金を払う価値があるのかを検証した。
最初のUSB-C専用コンピューターが登場して以来、ユーザーはレガシー（およびプロフェッショナル）デバイスを接続するためにドングル、ハブ、ドックを必要としていた。
ZILR Lumin Streaming Hubを最初に目にしたとき、それは以下の入力を持つコンピュータに接続するための通常のUSBハブのように見えた。
- SD + microSDカードリーダー
- 3.5mmマイク入力
- 3.5mmヘッドフォン出力
ハブの向きを変えると、以下のようなポートが見える。
- 充電用のUSB-C PD
- 2x USB 3.0 Type-Aポート
- HDMI入力
- HDMI出力
- USB-C
一見すると、HDMI Input以外は特に何もないのだが、これについては後述する。
このデバイスは、その名前とは裏腹に、ストリーミング機能は持っていない。インターネットに接続することも、ストリーミングソフトウェアを使用することもできない。Luminは、HDMIビデオソースをビデオ入力に変換し、ストリーミングやビデオ会議ソフトウェアで選択できるようにするだけのものだ。
製造品質
何が特別なのかを説明する前に、ビルドクオリティについて簡単に説明する。ZILR Lumin Streaming Hubは、アルミニウム製で、プラスチック製の上部を持ち、適度な重量がある（140g）。底面にある4つのゴム足により、平らな場所でもしっかりと固定される。
特徴
従来のUSBドックでは、HDMI出力に外部モニターを接続することができた。しかし、ZILR Lumin Streaming Hubは、カメラやゲーム機などのHDMI入力を接続することも可能だ。コンピュータがそのデバイスを検出し、ストリーミングやビデオ会議用のUSBソースとして表示する。
これはUSB-CカメラやUSBで映像を出力するデバイスを持っていない場合に便利だ。HDMI-Inポートから接続したデバイスは、自動的に映像・音声ソースに変換され、コンピュータがストリーミングやWeb会議アプリの中で「ZILR Lumin」として提供される。
ビデオ会議のセットアップ
HDMI出力を持つカメラ（一眼レフ、ビデオカメラ、ミラーレスなど）であれば、ストリーミングハブのHDMI-Inに接続すれば、ウェブカメラとして使用できる。
また、ストリーミングハブの3.5mmマイクやUSB Type-A入力に別途マイクを接続し、ヘッドホンジャックにヘッドホンを接続して音声をモニターすることもできる。
ZILR Luminの映像入力はストリーミング/ビデオ会議では1080p60（非圧縮）に制限されているが、2160p60までのHDMI信号を通すことができるので、4Kでモニターやゲームすることも可能だ。
ゲームストリーミングのセットアップ
ゲーム機をドックの「HDMI-IN」に直接接続し、「HDMI-OUT」を使用して接続したテレビでゲームを見ることもできる。また、3.5mmマイクジャックまたはUSB Type-Aポートにマイクを接続することで、音声をストリームに追加することができる。
ストリーミングハブを「USB-C」ポートでパソコンに接続すると、TwitchやYouTubeなどが「ZILR Lumin」を映像・音声の入出力として提供するようになる。
注：私はゲーマーではないので、Luminのゲームストリーミング機能をテストすることはできなかった。
オーディオの弱点
今回のテストでは、オーディオがStreaming Hubの弱点であることがわかった。Streaming Hubのヘッドフォン出力は、Luminのすべてのオーディオ入力をミックスして出力するだけという問題にぶつかった。コンピュータのオーディオ入力として何を設定しても、HDMIや3.5mmマイク入力、または両方が接続されている場合は両方のミックスなど、Streaming Hubに入ってきたすべてのオーディオを聞き続けることになった。
また、オーディオソースとしてZILR Luminを選択した状態でも、安定したビデオ接続を行うことができなかった。映像はフリーズし続け、時にはZoomやGoogle Meetがクラッシュすることさえあった。しかし、別のオーディオソースを選択すると、すぐにすべてが正常に動作するようになった。
もし、外部ビデオとオーディオのセットアップを行うのであれば、マイクをカメラに接続し、HDMIケーブルでストリーミングハブにビデオとオーディオを送信するのが最適な方法だ。これにより、映像と音声が確実に同期され、フリーズの問題も解決される。
USB-C電源
ハブの背面には、「USB-C」と書かれたUSB-Cポートと「USB-C PD」と書かれたUSB-Cポートの2つがある。USB-Cポートは、ハブをコンピュータと接続するために使用する（充電やビデオ出力はできない）。USB-C PDは充電のみに使用され、2つのオプションが用意されている。
オプション1：充電が必要なノートパソコンがあり、すでに「USB-C」ポートでストリーミングハブに接続されている場合。USB-C PDポートに電源アダプター（ノートパソコンに付属しているものが理想的）を差し込み、電源に接続する。この場合、USB-C PDポートから電源を入力することになる。
なお、Luminから利用できる87Wは、13″と14″のMacBook Air/Proを充電するには十分だが、大型で高出力のラップトップには十分ではない。
オプション2：ハブを「USB-C」ポートでコンピュータに接続した状態で「USB-C PD」ポートに接続すれば、携帯電話（オプションのUSB-C to LightningケーブルでiPhone）やその他のアクセサリーを急速充電することが可能だ。この場合、「USB-C PD」ポートから電力を出力する。
カードリーダー
多くのUSB-Cドック/ハブ/ドングルにほぼ標準で搭載されているのが、microSDやSDカードリーダーだ。ZILR Lumin Streaming Hubも同様で、ハブの前面に両方のカードリーダースロットがある。
ひとつだけ気に入らないのは、SDカードを逆さまに差し込まなければならないことだ。いずれは慣れるのでしょうが、指摘しておきたい。
読み取り速度は標準的なUHS-Iの速度のようだが、この製品は明らかにプロフェッショナルなユーザーグループを対象としているため、残念な結果となっている。UHS-II SDカードはプロのクリエーターによく使われているので、Lumin Streaming Hubの遅さは残念だ。
まとめ
ZILR Lumin Streaming Hubは、USB-C搭載のパソコン用のUSBハブ/ドック/ドングルとして非常にまっとうな製品だ。カードリーダーの性能は少し残念で、UHS-IIの速度でも良かったような気がする。USB-C PDポートは汎用性があり、87Wのノートパソコン充電機能もあるので、携帯性も良い。
シンプルにさえすれば、Luminはプロフェッショナルなストリーミングやビデオ会議のセットアップを簡単に行うことができる。私のMac miniには、カードリーダー、USBポートの追加、特別なソフトウェアなしでカメラをウェブカメラに早変わりさせる機能など、最も必要なものがStreaming Boxに追加されている。
HDMIカメラをウェブカメラに変身させる同等の製品には、Blackmagic Web PresenterとATEMの製品ラインがある。どちらも価格は2倍以上するが、より多くの設定オプションが用意されている。
Blackmagicが提供するようなプロフェッショナルな放送ソリューションと、通常のUSB-Cドングル/ハブ/ドックの間のハイブリッドとして、ZILR Lumin Streaming Hubはそれ自身を際立たせ、$249,99という手頃なパッケージで優れた機能性を提供する。
Manufacturer Website: www.zilr.pro
