VILTROXは、フルフレームアナモフィックレンズラインナップ、EPICシリーズの詳細を発表した。3本のシネマプライム(35mm/50mm/75mm)が含まれ、T2.0の一定口径、1.33倍のスクイズファクター、PLマウントが特徴だ。これらのレンズは現在、2,799ドルから購入可能。
VILTROXのEPICフルフレームアナモフィックシネマレンズシリーズの開発は、2022年9月上旬に中国で開催された撮影イベント以来、既知の事実となっている。
このメーカーは、ソニーEマウントやマイクロフォーサーズカメラ用のシネマ向けT1.5プライムシリーズなど、手頃な価格のアダプターやレンズを製造していることで知られている。しかし、同社がフルフレームアナモフィックレンズの開発に携わるのは初めてだ。
特徴
現在のところ、VILTROX EPICシリーズは、35mm T2.0 1.33x、50mm T2.0 1.33x、75mm T2.0 1.33xで構成されている。したがって、焦点距離は一般的なものだ。さらに、マウントはARRI PLのみとなっている。各レンズの重量が約1,980gであることを考えると、これは賢明な設計上の選択だろう。
1.33倍のスクイーズファクターは、16:9センサーを使用した場合、およそアスペクト比2.35:1の最終画像となり、全フォーカス範囲において一貫性があると述べている。フォーカスについて言えば、VILTROXによれば、このレンズはフォーカシングブリージングが最小限としている。35mmと50mmは78.7cm/2’7ft.まで近づけることができ、75mmの最短撮影距離は99cmとなっている。
さらに、画面中心から周辺部までシャープな映像でありながら、青い光の筋が入った柔らかい「レトロ」な映像が得られるとしている。
光学設計・物理設計
T2.0という明るい開口部には8枚羽根を採用し、滑らかなボケ味が期待できる。さらに、前面のレンズには、ナノコーティング技術に加え、防水・防汚コーティングが施されている。
重量、サイズ(102×133mm)、フロント外径(95mm)、重心位置は全レンズ共通なので、物理的な設計もよく考えられているようだ。これにより、撮影中に異なる焦点距離を切り替える作業が容易になり、特にジンバルを使用する際に便利だ。
さらに、M.08のフォーカスギアとアイリスギアの大きさ、径、位置はシリーズ全体で統一されている。絞りリングの振れ幅は63°、フォーカススローは290°と長く、スムーズなフォーカシングが可能。最後に、明るいムーンホワイトのレンズハウジングにガントレイゴールドのギアリングは、「プリプロダクションルック」ではなく、量産品にも採用されるようだ。
価格と発売時期
VILTROX EPIC 35mm、50mm、75mm T2.0 1.33xフルフレームアナモフィックシネマプライムレンズは、現在同社のウェブサイトから購入することができる。各レンズの価格は2,799ドルだが、レンズ保護ケースを付属した3点キット(7,899ドル)も用意されている。
この価格戦略は、VILTROX EPICシリーズを、SIRUIの1.6x Venusラインナップのような格安アナモフィックレンズと、例えばAtlas Mercuryシリーズのような中級アナモフィックレンズのちょうど中間に位置づけられる。
詳しくは、VILTROXのウェブサイトをご覧ください。