珍しいことだが、アップルがFinal Cut Pro 10.8の機能を紹介するビデオを公開した。ビデオでは、「AIツール」(アップルがしばらく遅れていると考えられてきた分野)、新しいトラッカー、より優れたアセット管理機能などがクローズアップされている。
アップルは先日、Mac版Final Cut Proのバージョン10.8をリリースし、いくつかの新機能とAIを搭載したツールを導入した。今回のアップデートは、カラーコレクション、スローモーションエフェクト、ワークフローの効率化に重点を置いており、以下のビデオで紹介されている。主な機能追加については以下を参照ください。
Apple Final Cut Pro 10.8の主な新機能
- 光と色の補正:AIが映像の色と照明を自動的に調整するツール。ワンクリックソリューションとしても、手動調整の出発点としても使える。
- スムーズなスローモーション:スローモーションエフェクトを作成するための新しいアルゴリズム。
- オブジェクトトラッカー: ビデオ内の動くオブジェクトや顔にタイトルやエフェクトを付けることができる。
- ボイスアイソレーション: AIを使用して、バックグラウンドノイズを低減し、オーディオレベルを調整することで、音声を向上させる。
- スマートコンフォーム: 機械学習を使用して、縦長または正方形のソーシャルメディア形式用に映像を自動的にリフレーミングする。
- タイムラインインデックスの強化: メディアの欠落、エフェクトの適用、ショットの重複など、特定の属性を持つクリップの検索機能が向上。
- テキスト検索の向上: 特定のシーン、カメラアングル、エフェクト名、カスタムメタデータをより効率的に検索できる。
- エフェクト管理: クリップに適用された色調補正やビデオエフェクトの名前を変更したり、タイムラインのクリップ間でこれらのエフェクトをドラッグできるようになった。
アップルによると、すべての新機能はAppleシリコン用に最適化されており、再生、エフェクト適用、書き出し時間の短縮など、4Kおよび8K ProRes映像を扱う際のパフォーマンス向上を実現している。
DaVinci Resolveからユーザーを奪い取るには十分か?
これらの追加機能は有用に見えるが、プロのワークフローにおける効果はまだ検証されていない。ビデオ編集ソフトウェアにAIが採用されたことで、自動化とクリエイティブコントロールのバランスや、手動編集と比較した場合の仕上がりについて疑問が投げかけられている。
他のソフトウェアアップデートと同様、これらの新機能の真価は、実際の編集作業におけるユーザーの評価によって決定される。プロもアマチュアも同様に、これらのツールが既存のワークフローにどのように適合し、生産性を向上し、クリエイティブな作品にできるかどうかを評価する必要がある。
また、これがDaVinci Resolveからユーザーを奪い取るのに十分かどうかはまだわからない。
90日間の無料トライアル
Final Cut Proは299ドルで、ライセンスは無期限だ。アップルは10年以上前に導入して以来、アップデートに課金したことは一度もない。90日間の無料トライアルも用意されている。
Final Cut Pro for iPad 2のレビュー
なお、私は最近、Final Cut Pro for iPad 2のライブ・マルチカム機能をレビューした(英語)(これはソフトウェアの別バージョンで、Mac版の機能で搭載されていないものもある)。