LC-Tec 電子可変拡散フィルターシステム & Metabones EF-E CINE eND スマートアダプター－ファーストルック

昨日

IBC 2024でLC-Tecにインタビューを行い、同社の最新のイノベーションである電子可変拡散フィルターシステムについて話を伺った。この革新的なシステムは、マットボックス内に収まる液晶付き4×5.65インチガラスと、フィルター内の拡散量を正確にダイヤル設定できる小型コントローラーボックスで構成されている。さらに、同社は電子VND技術を採用した新しいMetabones EF-E CINE eND Smart Adapterを展示した。

スウェーデンのハイテク企業LC-Tecは、映像制作業界では比較的新しい企業で、撮影用の革新的なフィルターの製作に注力している。昨年のIBC 2023で、同社は電子可変NDフィルターのコンセプトとプロトタイプで、CineD Best-of-Showのひとつに輝いた。それから1年が経ち、同社は同じコンセプトを拡散フィルターに応用している。

LC-Tec Electronic Variable Diffusion filter system. Image credit: CineD

LC-Tec電子可変拡散フィルターシステムの特徴

同社によると、LC-Tec電子可変拡散フィルターシステムは「世界初のシネレンズ用EVDフィルターシステム」と謳っている。互換性のあるマットボックスに収まる4×5.65インチのガラスと、コンパクトなコントローラーボックスの2つの主要コンポーネントで構成されている。なお、LC-Tecは製品を製造しているのではなく、サードパーティ・メーカーに技術を販売している。

同社は、シネマカメラメーカー向けに内部電子NDシステムを製造する豊富な経験と専門知識を持っている。しかし、この新しいシステムは、撮影監督やACがフィルター内の拡散レベルを電子制御できるように設計されている。

これにより、新たな撮影の可能性が広がる。例えば、LC-Tec EVDフィルターシステムは、撮影の途中で拡散の強さを調整することができる。あるいは、このシステムを使って拡散を素早く解除し、フォーカスプラーがフォーカシングできるようにすることも可能だ。

理論的には、フィルターの選択した領域に異なる強さの電子拡散を適用することも可能なはずだ。この機能は画像の一部だけに影響を与えることができるので、拡散の創造性は無限であり、映像クリエイターに新たな可能性をもたらすだろう。

この電子可変拡散フィルターシステムは現在プロトタイプの段階であり、特許取得済みの液晶パネル技術を使用しているとのこと。同社の製造パートナーがEVDの最終的な製品仕様を決定するそうなので、変更される可能性がある。

The Metabones EF-E CINE eND Smart Adapter. Image credit: CineD

Metabones EF-E CINE eNDスマートアダプター

LC-Tecのブースでは、Metabonesと共同開発した新しいキヤノンEF-ソニーEマウントアダプター「EF-E CINE eNDスマートアダプター」も展示されていた。このレンズマウントアダプターは、キヤノンEFレンズとEF-Sレンズに対応している。さらに、ボディ内手ブレ補正（IBIS）と光学式手ブレ補正（OIS）の両方に対応している。

Metabones EF-E CINE eNDスマートアダプターは物理的なボタンを前面に備えており、クリアフィルターからeNDモードに切り替えることができる。eNDモードでは、調整範囲は-2～-7ストップとなる。eNDフィルターが作動すると、アダプター上部のダイヤルでeNDを0.5段刻みで調整できる。