Pixotope Revealは、クロマキーソフトウェアやグリーンスクリーンを使わず、AIによって最大20の被写体の背景を分析し、除去する。背景に、2Dや3Dのグラフィックなどを被写体の後ろや前に合成することが可能だ。
過去20年間、この業界においても様々なな技術的成果を目の当たりにしてきた。また、iPhoneがスマートフォンを一変させ、撮影や編集に使われるようになった。バーチャル・プロダクションも大きく進化している。
Pixotope Revealは、映画やビデオ制作における次の技術的な偉業となるかもしれない。グリーンスクリーンやクロマキー、時間のかかるロトスコープは必要ない。
特徴
Pixotope Revealは背景セグメンテーションソフトウェアで、AIを使用して最大20の被写体を識別し、分離する。これにより、背景を除去し、被写体の前や後ろに新しいグラフィックや要素を追加することができ、すべてリアルタイムで行うことができる。追跡ツールにより、被写体は小さなテーブルのようなARオブジェクトの周囲を問題なく移動できる。
グリーン・スクリーン、特別な照明やカメラ、高度なセットアップ、撮影終了後のロトスコープは必要ない。ただし、Pixotope Revealソフトウェアを動かすには、強力なワークステーションが必要だ。また、Pixotope Graphicsや他のソフトウェアと組み合わせて使用することもでき、2Dや3Dのグラフィックやバーチャルセットをシームレスに追加したい場合に最適だ。
特徴は以下の通り:
- AIにより、あらゆる背景から最大20の被写体をリアルタイムで抽出。
- 60fpsのUHDに対応。
- タイムコードとゲンロック同期。
- SDI、NDI、SRT、SMPTE 2110に対応。
- キー+フィル用のスタンドアロンとして、またはPixotope Graphicsのような他のソフトウェアと組み合わせて動作。
- また、タレントトラッキングシステムと既存のワークフローを統合し、被写体がARオブジェクトと自然に相互作用できるようにする。Pixotope Camera Tracking、Pixotope Graphics VS/AR Edition、および同様のソフトウェアに対応している。
- 画面上の被写体のマットを記録することで、ポストプロダクションワークフローを高速化。
- クラウド対応の展開オプション。
一般的な使用例
Pixotopeが挙げる最も一般的な用途は、バーチャルセットまたはリアルとバーチャルのミックス(ニュース、スポーツなど)を必要とする放送だ。背景を取り除き、2Dや3Dグラフィックのバーチャルなニュースセットや場所(サッカースタジアムなど)を背景に合成することができる。コマーシャルにも最適だ。セットを作ったり、照明を設置したり、ロケに行ったりする時間とコストが削減できる。
また、VFXや背景を多用する映画での使用も可能だろう。『300 〈スリーハンドレッド〉』や『シン・シティ』は、ほぼ全編をブルーまたはグリーンスクリーンの前で撮影し、大規模なポストプロダクションで独自の世界を作り上げたことで有名だ。Pixatope Revealは、複雑なセットアップやカメラを必要とせずに、それを実現できるかもしれない。
2019年の『マンダロリアン』第1シーズン以降、バーチャルプロダクションが爆発的に普及したことで、多くの映画、テレビ番組、コマーシャルがLEDウォールでの撮影を活用し、ポストプロダクションのVFXをほぼ不要にしている。すべてプリプロダクション中に行われるのだ。Revealはバーチャル・プロダクションに対抗できるだろうか?可能性はある。
価格と発売時期
開発とベータテストを経て、Pixotope Revealは現在利用可能だ。アーリーアダプターは30%割引でライセンスを入手でき、30日間のトライアルも用意されている。ライセンスと価格については、Pixotopeに問い合わせる必要がある。詳細はウェブサイトをご覧ください。