
ニコン初のZマウントパワーズームは、11段変速ズームコントロール、最小限のフォーカスブリージング、内蔵ズーム機構など、プロフェッショナルな映像制作に必要な機能を備えている。ニコンは Zマウントを搭載した最初のREDカメラを発表したが、28-135mm f/4はニコンがプロ用シネマレンズ市場に参入する重要なステップとなる 。
ニコンは、Zマウントシステム用の初のパワーズームレンズを正式に発表し、プロ用ビデオ市場への本格参入を果たした。NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZは、汎用性の高い焦点域とプロの映像制作に特化した機能を兼ね備えている。当初は2024年10月に「開発中」として予告されていたが、間もなく出荷が開始される。
ニコン28-135mm F4 PZとソニー28-135 F4 G OSS
この新しいニコンのレンズは、全く同じ焦点域、F値、そしてパワーズームを持つソニーのレンズと不思議なほど似ている。CineDでは10年前にこのレンズをレビュー(英語)している。
このレンズは、ニコンのこれまでのZマウント製品とは大きく異なり、11段階のスピード設定が可能な専用ズームレバーのようなシネマに特化した機能を搭載している。この機能性により、微妙なズームとアクションを追う際の素早い切り替えを実行することができる。

ニコン28-135mm F4 PZのプロフェッショナルシネマ機能
ジンバルとの互換性を考慮した設計で、ズーム全域で重心を一定に保つ内部ズーム機構を採用している。これは、従来の静止画用ズームを動画撮影に使用する際によくある不満に対応するものだ。
プロ仕様の主な機能
- ズームリングの回転角度と方向をカスタマイズ可能
- 重心を安定させる内部ズーム機構
- デュアルL-Fnボタンによる水平・垂直操作
- フィルター調整窓付きの長方形レンズフード
- マットボックスと互換性のある業界標準のフロント径
光学設計
光学設計には、フレアを抑制するニコンのメソアモルファスコーティングが採用されており、フォーカスブリージングを最小限に抑えている。開放F値はズーム全域でF4を維持し、オートフォーカスはステッピングモーターで行う。マニュアルフォーカスの場合、このレンズはプロ用シネレンズの典型的なリニアレスポンスシステムを提供する。
Z 9との組み合わせで機能を拡張
ニコンZ 9と組み合わせることで、ハイレスズーム機能をサポートし、4K記録モードで270mm相当の焦点距離まで伸ばすことができる。この機能は光学ズームと同期させることができ、標準ズームとデジタルズームの間のスムーズな移行が可能だ。
リモート操作とプロフェッショナルな統合
スタジオコントロール用のNX Tether、モバイルデバイス操作用のSnapBridge、マルチカメラセットアップ用のNX Fieldなど、ニコンのソフトウェアエコシステムを通じてリモート操作機能が実装されている。このレンズは、標準的なフォローフォーカスシステムとプロ用マットボックスをサポートし、耐候性に優れた構造となっている。
市場での位置付けと将来的な影響
このリリースは、従来ソニーとキヤノンのレンズが独占してきたPTZレンズのプロ用ビデオ市場への参入を示すものだ。ニコンブランドのカメラの先進的なビデオ機能や、1年前のRED買収の発表が示す通り、このレンズもまた、プロのビデオ制作者を意識したものだ。
さらに、REDカメラにもZマウントを搭載したことを忘れてはならない。これはもちろん、近い将来、多くのREDカメラでこのニコン 28-135 PZレンズが見られることを意味する。
性能
以下のような実世界での検証が今後必要となるだろう。
- マニュアルフォーカスがフライバイワイヤになると仮定すると、どの程度機能するのか興味深い。ソニー製は少しトリッキーだ(私自身の経験から)。
- T-stop測定とF4絞り値との比較
- ズーム全域でのフォーカスブリージング性能
- 様々な速度での電子ズームの滑らかさ
- ジンバル使用時の重量とバランス特性
このレンズは2025年4月発売予定で、予約販売受付は、2月18日10時より開始される。価格は368,500円となっている。ニコンのウェブサイトはこちら。