VROX - ソニーフルフレームカメラを搭載した全方位カメラロボット
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VROX Technologyはソニーと提携し、ゲーム、映画制作、電子商取引のためのハイエンドバーチャルリアリティロボットシステムを開発している。
バーチャルリアリティーは、エンタテインメント的なコンテンツ制作だけでなく、人間が実際に行って撮影することができない環境下で撮影するという意味で、大きなビジネスチャンスだ。 VROX Technology社は1年に渡りVRロボットシステムを設計、開発してきたが、IBC 2017でこれを発表、展示している。
VRロボットシステムの画像は、ソニーのα7Sと同じセンサーを使用したUMC-S3Cフルフレーム高感度カメラ(NABでのインタビュービデオはこちら)を複数台使用している。コントロール性の良さと小さなサイズで、VROXのカメラとして採用された。また、レンズにはVoightlander 15mm F / 2.8が使用され、エッジディストーションやケラレ、あるいは色収差のない非常に高品質の画像を撮影する。ステッチングされた映像は、シームレスで、目に見える品質の低下は皆無だ。これはまた、人間の視野に似せた作りとなっており、よりリアリティーのある映像になっている。
VRアレイ内の各カメラは独立して制御することができ、HDRや低照度など、様々な撮影環境で非常に優れた性能を発揮する。カメラを独立して制御することにより、アレイの反対側のカメラの露出設定を必要性に応じて設定することができ、ロボットが低照度から高照度環境へ移動しているときなどに有用だ。
VRロボットシステムを使用する作品には、ゲームや映画が含まれるが、これらの制作者は、視聴者をイメージに没入させるため、バーチャルリアリティーを使用する。この時、VRリグをロボットで動かすことで、撮影者の映り込みなどを避けることができる。また、オンボードの360度マイクロフォンは、周囲の環境音も収録する。なお、このシステムの使用が期待される他のアプリケーションは、オンラインショッピングやロケーション撮影だろう。これらのアプリケーションは、ワイドな魚眼レンズを使用した中低画質の撮影から高品質のVRに移行するだろう。
VRアレイには24個のLEDライトが搭載されており、照明が必要な場合に、独立して制御することができる。これにより、VRカメラに映らなくしたり、ポストプロダクションで取り除いたりできる。
画像はカメラのSDカードに記録することができる他、ライブストリーミングや編集用に4K HDMI出力で外部録画することも可能。最高品質のポストプロダクションを行うため、画像をRAWで記録することもできる。
VROX VRロボットシステムは固定されたものではなく自分で移動することができ、小型のためドアを通ったり、荒れた地形を走行する場合、ヘッドユニットが移動して水平を維持することができる。残念ながら、ソニーのブーススペースでは実際に動いているところは見ることができなかったが、既にこのVRロボットシステムは、倉庫や店舗のフロアで実際に使用されているそうだ。バッテリーは8時間連続動作が可能で、リモートコントロールで動かす場合理想的だ。必要に応じて、地球の反対側からでも暗号化されたVPNを介して遠隔操作することもできる。
この製品は特殊な技術を使用しているため購入することはできず、VROX経由でのみレンタルすることができる。レンタルパッケージは、カメラと照明のオペレーターも含んだ制作クルーだ。
このVRソリューションは一般のユーザー向けではないが、VROX Technologyのような企業がVRのような新興市場で革新的なソリューションを開発し、ソニーのような企業と提携して業界の技術を進歩させることは素晴らしいことだ。