Adobeは、YouTuberや簡単な編集をするビデオユーザー向けにPremiere Rush CCを発表した。Adobe Premiere Rush CCは以前からProject Rushとして知られていたものだが、Mac、WindowsおよびiOSで利用できる。Androidバージョンはまもなくリリースされる。
Adobeは、VidConUS 2018でPremiere Rush CCにSneak Peekを投入した。Adobeによると、このアプリケーションは、YouTubeをはじめ、Snapchat、Instagram、Facebook、Twitter、Vimeoなどのプラットフォーム向けにエクスポートできる、オンラインビデオ制作者向けのものとしている。このようなアプリケーションがリリースされたのは、ソーシャルメディア時代の要求に応えたものと見ることができ、Adobeはソフトウェアプラットフォームを改善し、モバイルデバイスでの編集を可能にした。 Lightroom Classic CC(Desktop版)とLightroom CCを再統合し、機能を縮小したLightroomも搭載している。 Adobeは他にも、同じように機能を縮小したPhotoshop CCのiPad版もテストしている。これは無制限のレイヤーが使用でき、PSDファイルとして作業することができる。
Premiere Rush CCの機能
今までは、モバイルプラットフォーム上で最も一般的な編集アプリケーションはアップルのものだった。例えばClipsは超シンプルバージョンで、iMovieはもう少し機能を持ったものだ。しかし、どちらも最適なものではなく、ごく初歩的なユーザー向けだった。 Adobe Premiere Rush CCは、これらに対し、更に多くの機能を持ったものだ。以下は、その主な機能。
- 携帯端末でビデオを撮影
- 多くのフォーマットをネイティブでインポート(ProRes、DNxHD、Gif、H.264、H.265、MXF、WAV、AIF、MP3、M4A、AAC、JPG、PND、PSD、Arri、Panasonic、Canon、Sony – 全リストはこちら)。
- 複数のビデオとオーディオトラック
- 編集:移動、トリム、分割、複製(Final Cut Pro Xスタイルのタイムライン)
- トランジション:ディゾルブ、ブラックとホワイトへのフェード
- カラーグレーディングとフィルムプリセット
- 変換:位置、回転、スケール、トリミング、不透明度、アスペクト比の変更
- ボイスオーバー(カウントダウンタイマー付き)
- オーディオリファインメント:ノイズリダクション、音声強調、エコーリダクション、自動音量、自動バランス、音楽の自動ダッキング
- タイトルとグラフィックス:テンプレートやAdobe Stockからのタイトルやモーショングラフィックの追加(画像やフォントも含む)
- Adobe CCエコシステムとの統合
次のステップ
Adobe Premiere Rush CCがこれだけ豊富な機能を持っていると、いつかPremiere Proを置き換えることにならないかと思う人もいるだろう。 Premiere Proは現在NLEの代表的アプリケーションだが、まだ問題を抱えている。パフォーマンスはその一つと言える。これは、スマートフォン革命の前になされた決定に基づくソフトウェアアーキテクチャだからだ。 Final Cut ProXがFinal Cut Pro 7に取って代わったのと同じように、Adobe Premiere Rush CCもいつかPremiere Proに置き換わるかもしれない。あるいは、Adobe Premiere Rush CCは別のプロファイルで独自進化するかもしれない。現時点ではAdobe自信も、ソフトウェアやワークフローがどの程度ハードウェアに依存することになるのか判断しかねているようにも見える。
価格と発売時期
Adobe Premiere Rush CCは、Mac、Windows、iOSで使用可能。また、無料お試し版も用意されており、3つのプロジェクトまでエクスポートすることができる。詳細はこちら。