この小さな機器はPilot Eraと呼ばれ、インカメラステッチを備えた初のオールインワン8K 360°VRカメラだ。画像をつなぎ合わせる後処理は不要なのが特徴。現在Indiegogoキャンペーンに登録されている。
Pisofttech(正確にはPi-Soft-Tech)がこのPilot Eraカメラの発売元で、同社によればこのカメラは完全に自己完結型の装置で、特別な付属品は不要としている。 VRや360°映像を制作する場合、通常非常に限られた画質や、特別な機材を使用し、多くの時間が必要となる。 Pilot Eraはこの問題を解決し、非常にコンパクトなフォームファクタながら高品質の8K 360°映像をこれだけで完結できる。
Pilot Era 8K 360°カメラの概要
Pilot Eraが目指しているものは使いやすさだ。ユニット自体は手に収まり、すぐに撮影できる。
- f / 2.2非球面魚眼レンズを装備した4個の12メガピクセルソニーCMOSセンサー
- ジャイロスコープによる9軸手ブレ補正
- 3.1インチ800 x 480 TFT LCDタッチスクリーン
- 512 GB UFS(ユニバーサルフラッシュストレージ)内蔵
- 7200 mAhバッテリーで約3.5時間の8K記録
- ライブストリーミング用の4Gおよびwifiモジュール
下はIndiegogoキャンペーンビデオ。
このカメラは簡単に360°ビデオを撮影することができるが、プロ用機器として見ると、欠落している機能もある。たとえば、内部ストレージを交換することはできない。 512GBを内蔵しているが、外部メディアを接続して容量を拡張することはできない。さらに、フラットな「HLG」プロファイルを含め、現時点ではLogプロファイルをサポートしていない。将来これらの機能が実装される可能性もあるが、現時点ではPilot Eraは便利さと使いやすさを最優先事項としている。
利便性について言えば、Pilot Eraは実に便利なデバイスだ。使い方に関するマニュアルやチュートリアルビデオを多くの時間をかけて見る必要もない。 Googleマップのストリートビューセクションで360°コンテンツを投稿することもできる。GPSモジュールが内蔵されており、4Gセルラー(5Gも近く登場)とデュアルバンドのwifi接続で世界中からGoogleに映像をアップロードすることができる。
タッチスクリーンは非常に優れており、外部コントロールやモニターは不要だ。Pilot Eraは、Pilot OSと呼ばれる独自のAndroidオペレーティングシステムを中心に構築されている。 Pilot Goアプリがインストールされたスマートフォンからもコントロールできるが、タッチスクリーンですべてを制御できるので、実際には必要ない。プロ機器なら物理的なボタンも必要だが、Pilot Eraではタッチスクリーンで全く問題ない。Androidシステムのもう1つの利点は、システムを常に更新でき、いつも最新機能で使えることだ。
前述のように、カメラ自体で映像をライブステッチすることができ、最終映像をストリーミングできる。ただし、そのモードでは7fps @ 8Kと30fps @ 4Kに制限される。ライブでない場合は、カメラ内部でステッチすると、24fps @ 8Kの処理が可能だ。下は4Kでの360°ビデオのサンプル映像(8Kに設定できる)。
もっとも、ノートパソコンで見てもあまりインパクトはないかもしれない。
仕様
下がPilot Era 8K 360°カメラの仕様。他社のカメラも比較のために表示している。
Indiegogoキャンペーンはすでにその資金調達目標の5倍を達成しており、6月7日まで有効となっている。 1,799ドルのスーパーアーリーバード価格はすでに終了しているが、それでも1,999ドルで購入できる。予備のバッテリーは65ドル。すべてがうまくいって最終的に出荷されるまで、何ヶ月も待つ必要はないようだ。発送予定日は6月なので、キャンペーン終了後すぐ出荷される予定。 ただしIndigogoはクラウドファンディングなので、一定のリスクがあることは承知いただきたい。
Link: Indiegogo campaign