AdobeがAdobe Premiere Pro14.5を発表した。Apple ProRes RAW編集をより強力にサポートする。
Premiere Pro 14.5とProRes RAW
Adobe Premiere Proでは、MacとWindowsパソコンでApple ProResRAWクリップを処理する場合、違いがあった。 2020年5月、同社はPremiereProでProResRAW編集に対応するアップデートをリリースしている。ただし、Windowsでは、サポートされているのはNvidia製GPUのみであり、適切に再生/編集するにはApple ProRes RAWデコーダーが必要だった。
新しいPremiere Pro14.5バージョンは、3年以上ProRes RAWを推進してきたAtomosと協業して、AMDとIntel GPUの両方でProRes RAWをサポートすることができるようになった(ただし、Windowsユーザーは、引き続きApple ProRes RAWデコーダーをダウンロードしてインストールする必要がある)。これにより、WindowsとMacはどちらも、使用するGPUに関係なく、ProRes RAWファイルをインポートし編集できるようになった。
以前は、ProRes RAWからLOGへ正しく色空間変換をすることはできなかったが、今回の対応により、クリップごとに適切な色空間を選択できるようになった。 ニコンZ 6 / Z 7向けのドロップダウンメニューには、RAWからN-Logへの変換もサポートされている。 Rec.2100HLGプロジェクトでの作業も簡単になるはずだ。
Premiere Pro14.5はProRes RAWで露出制御をサポートしているが、たとえばFinal Cut Pro Xのように、ISOやホワイトバランスの調整をすることはできない。
新しくリリースされたバージョンには、オーディオのプリロールの高速化や、ARRIカメラでProRes撮影し組み込みLUTを使用するユーザー向けのワークフローの合理化などの改善点もいくつか含まれている。
Premiere Proの今後
Adobeの人工知能(AI)および機械学習(ML)アルゴリズムシステム、Adobe Senseiにより、シーンカット検出、自動リフレーム、Roto Brush2などを可能になる。
Speech toTextと呼ばれる新しい文字起こし機能が来年サポートされる予定。この機能は現在ベータ版だが、Adobeによると、以下の機能がある。
- Speech to Textは、業界をリードする正確さで、音声ダイアログをテキストに瞬時に変換する。
- AdobeSenseiを搭載したAutoCaptionsは、音声文字変換からキャプションまたは字幕の作成まで、シームレスに行う。
- トランスクリプトまたはキャプションの編集は、ビデオを再生するのと同じくらい簡単で、テキストを検索、統合、または分割して、読めるようにする。
- Speech to Textは、英語、スペイン語、日本語、韓国語、フランス語、ドイツ語、中国語、ヒンディー語などに対応する。
Digital Anarchy Transcriptiveなどは、すでにこれらを実現しているので、新しいことではない。しかし、どちらがより良い結果を出せるのかは興味深い。
Speech to Textの詳細や、ベータプログラムへの申し込みは、アドビのWebサイトから可能だ。