Apple はMacOSの将来のバージョンでCineformやDNxHDなどのビデオフォーマットをサポートしないと発表した。映像制作者には少なからず影響がありそうだ。
Appleは直近のサポートノートで、MacOSの将来のバージョンが”レガシーフォーマット”をサポートしないと発表した。レガシーフォーマットとは何を意味するのだろうか?
Appleによると、以下のようなものらしい。
ソニーHDCAM-SRカメラ映像、CineForm形式で記録されたGoProカメラ映像、Avid DNxHD / DNxHR形式のビデオファイル、他の多くの古いカメラで撮影された映像、または古いソフトウェアで修正されたファイル
現時点ではあまり正確なものではないようだ。おそらく、すべて64ビットワークフローに移行し、将来は64ビットコーデックのみをサポートしたいと考えているのだろう。ただし、これらのコーデックの多くは64ビット版がまだ可能ではなく、一部のバージョンはアップグレードされない可能性がある。すなわち、ファイルが読めなくなってしまい、世界中で多くの既存のプロジェクトが立ち往生してしまう可能性があるのだ。
今後サポートされないフォーマット
Appleのサポートノートをもう一度見てみよう。
- ソニーのHDCAM-SRカメラ:多くの人がもう使用していないか、またはすでにProResにトランスコードしているので大丈夫だろう。
- CineForm形式で記録されたGoProカメラの映像:他のビデオフォーマットで記録することもできるが、すでに記録されたファイルは開くことができない。
- Avid DNxHD / DNxHR形式のビデオファイル:ただし、対応されないのはソフトウェアで作成されたものに限り、Arri Alexaのように直接記録する場合は大丈夫だ。残念ながら、Media ComposerのAvid DNxファイルが送られてきた場合は、他のツールが必要だ。
- 多くの他の古いカメラで撮影された映像、または古いソフトウェアで修正されたファイル:これについては曖昧だ。多くの古い形式が含まれると思われる。
映像制作者への影響
これらの「レガシーフォーマット」がMacOSの将来のバージョンでサポートされない場合、当然Final Cut Pro Xでもサポートされない。ただし、Premiere Pro、Resolve、その他のNLEでは引き続きサポートされるだろう。
FCPXで編集している場合、Appleはサポートノートにいくつかの基本的なアドバイスを提供している。要約すると、すべてのライブラリをバックアップし、ProResにエクスポートしろということだ。 「ファイルを外部ドライブにコピーしてください」という文は、プロの映画監督や編集者にとっては「ふざけんな!」と言いたいところだろう。Appleがプロのユーザーに対して高らかに述べてきた”コミットメント”もむなしい限りだ。
現時点でこの発表がすぐに影響するというものではない。ただ、これらの「レガシーフォーマット」がMacOSでサポートされなくなると、次第に面倒なことになるだろう。誰かがあなたにDNxHDファイルを送ってこないことを願うばかりだ。 いずれにしても、プロのユーザーは今後決してFinal Cut Pro Xを使おうと思わないだろう。
いずれにせよ、長期的なプロジェクトや重要なプロジェクトの途中では、決してシステムを更新するべきではない。