ARRI Rentalは2月に発売したフルフレームデジタルシネマカメラ ARRI ALEXA LF専用の新しいDNAレンズラインアップを発表した。カメラはARRI Signature Primesのラインでリリースされたが、より大きなフォーマットのAlexa 65用に作られたDNAレンズを利用することもできる。今回のリリースにより、 ARRI ALEXA LFで一般的なレンズを使えるようになる。
Alexa LFは大きな成功を収めているが、今年初めに発売されて以来、数多くの作品に使用されてきた。このカメラを使用した撮影監督の中には、「ブレス しあわせの呼吸 原題名Breathe」のRobert Richardson ASC(ASC:米国映画撮影監督協会所属)「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 原題名Solo:A Star Wars Story」のBradford Young ASC、「ボヘミアン・ラプソディ 原題名Bohemian Rhapsody」のNewton Thomas Sigelなどがいる。彼らが初めて4.5kのフルフレームデジタルビデオを撮影するのに応じて、ARRIは、12mmから280mm、T1.8からT2.8のSignature Primesをリリースした。
リリースの狙い
DNAレンズの概念はSignature Primesとはまったく異なる。 Signature Primesは鮮明な解像度で最高の画質を実現することを目指しているが、DNAレンズは特別な特徴の映像が得られる。 Alexa 65用に作られたレンズ以来、ARRIは撮影関係者とヴィンテージグラスのリハウジングを行い、彼らの感性に応えてきた。これらのDNAレンズのルックは、Signature Primesよりもシャープさには欠けるが、中央で非常にシャープかつ美しいボケで、フレア特性やアウトフォーカスの映像も非常に美しい。
ただし、問題もある。Alexa 65のために作られたこれらのレンズはAlexa LFで使用できるが、Alexa LFではレンズの鮮明な中央部分のみを使用するため、 DNAレンズの良さを出し切っていないという問題だ。これらのレンズについて、シネマトグラファーのSean Bobbit BSC(BSC:英国映画撮影監督協会所属)は次のように述べている。
DNA LFレンズは個性を持っています。最近は、ほとんどのレンズが技術的に確立されてしまい、どれも同じような特性になってしまっていますが、DNA LFレンズは、微妙なケラレや周辺解像度低下があり、古いアナモフィックレンズを思い出させます。しかし面白いのは、それぞれが個性的ではありますが、それらがレンズで共通しているという点です。私はこのレンズを常に使用しています。
DNAレンズは9本で構成され、21mm〜135mmをカバーし、明るさはT1.5かT2.0のいずれかになる。発表されたラインアップは次のとおり。
- 21mm, T1.5
- 25mm, T1.5
- 29mm, T2.0
- 35mm, T2.0
- 47mm, T2.0
- 60mm, T2.0
- 75mm, T1.5
- 100mm, T2.0
- 135mm, T2.0
Alexa LFのDNAレンズは、2019年第1四半期末から、全世界のARRIレンタル会社で使用できる。