待望の Atomos Ninja Vのファームウェアアップデートがついにリリースされた。 Panasonic LUMIX S1Hからの、12ビットProRes RAW出力をNinja Vで記録できるようになる。記録は、フルフレームで最大5.9K / 29.97p、S35クロップモードで最大4K / 59.94pまたは3.5K 4:3アナモフィックで記録できる。
AtomosはLUMIX S1H 発表の直後からNinja VでカメラからのHDMI RAW出力をProRes RAWで記録することを表明していた。
Ninja Vのアップデートは2020年5月にリリースされる予定だったが、技術的な問題により、延期されていた。先週、Atomosはプレリリースベータ版をリリースしていたが、今回NinjaVのAtomOS 10.52ファームウェアアップデートがついにリリースされた。
Atomos Ninja Vアップデート
アップデートは無料で提供される。これによりNinja VはS1Hのフルフレームセンサーから12ビットRAWファイルをHDMI経由で記録する。 ProRes RAWファイルにより、HDRワークフローとSDR(Rec.709)ワークフローの両方でポストプロダクションの自由度が向上する。
Ninja Vは、ProRes RAW記録とは別に、1000nitの明るさを持つ5インチHDR画面を備えた、温カメラモニター。ユーザーはRAW画像をHDRでHLGおよびPQ(HDR10)形式で表示できる。 またNinja Vは、波形、拡大、フォーカスピーキングなどのツールも搭載しており、タッチスクリーンで操作できる。 Ninja Vは、ProRes RAWデータをリムーバブルAtomX SSDminiまたは互換性のあるSSDドライブに記録する。
この組み合わせで撮影した短編動画が公開されている。Adobe Premiere ProでのProRes RAWワークフローについても参考いただきたい。
LUMIX S1Hで利用可能なHDMI RAWモード
- Super35 crop – 3.5K (3536 x 2656) 4:3 anamorphic mode in 23.98p and 29.97p in NTSC and in 25p and 50p in PAL
- Super35 crop – DCI 4K (4128 x 2176) 17:9 mode in 23.98p, 29.97p, and 59.94p in NTSC and in 25p and 50p in PAL
- Full-frame – 5.9K (5888 x 3312) 16:9 mode in 23.98p and 29.97p in NTSC and in 25p in PAL
ProRes RAWのNLEサポート
Apple ProRes RAWファイルは他のRAWファイルよりも小さく、Atomosによると、5.9Kの解像度でも、S1Hのファイルは最新のMacで簡単に編集できる。フォーマットとしてのProRes RAWは確かに有用ではあるがが、使用する編集ソフトウェア(NLE)によって、その度合いが異なる。
ProRes RAWはAppleのコーデックなので、Final Cut Pro Xはもちろん対応しているが、Adobe Premiere Pro、ASSIMILATE SCRATCH、Colorfront、FilmLight Baselight、Grass Valley Ediusも対応している。ちなみに、Adobe Premiere Proは、現時点では限られた機能しかサポートしていない。
DaVinci Resolveの場合は、ProRes RAWファイルをProRes 4444など他のフォーマットにトランスコードする必要がある。もちろんこの場合、RAWの柔軟性を十分享受できない。 Resolveが近い将来ProRes RAWのネイティブサポートに対応することを期待したい。
無料のAtomOSファームウェアアップデートV10.52は、同社のWebサイトからダウンロードできる。