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Atomos Shogun Flameレビュー – 屋外テスト

Atomos Shogun Flameレビュー – 屋外テスト

Atomos3機種の1500nitHDR対応フィールドモニター/レコーダーを立て続けに発表した。早速Shogun Flameの初期ロットを手に入れてテストしてみた。

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AtomosがFlameシリーズを発表したとき、私は大変興を持った。

私は長い間Atomosレコーダーユーザーで、発売以来Atomos Shogunを愛用しているからだ。

Flameレコーダーに期待すること、それは太陽光下でディスプレイが視認できること、デュアルバッテリーポート、堅牢なこと、そしてHDR対応、と言ったところだろうか。

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本文が長くなってしまったので、本文に入る前に要約しておこう。

Atomos Shogun Flameは、初代Shogunのアップグレードモデル。初代7インチモニター/レコーダーのShogunはなかなか良かったのだが、改善してほしい点も多々あった。

Shogun Flameではそのいくつかの点は改善されている。デュアルバッテリーポートと堅牢性は予想内の改善点だが、1500nit、10bitディスプレイは初代ShogunやNinja Assassinからは考えられないほどの改善点と言えるだろう。

そしてHDR対応。完璧ではないが、S-logのようなスーパーフラットなソースをモニターするには実に使えるツールだ。

ただ個人的には7インチというのはカメラに付けるモニターとしては大きすぎるように感じる。特にソニーαシリーズに付ける場合などはそうだ。5.5インチ程度がちょうどいいのだが。

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Atomos Shogun Flameレビュー

初代Shogunと Ninja Flameの機能についてはこちらを参照してほしい。

以下が初代Shogunに対して追加された主な機能。

  • 1500nitディスプレイ
  • 10bitパネル
  • HDR対応
  • 堅牢性の向上
  • デュアルバッテリースロット

そして以下が、初代Shogunの問題点で、Shogun Flameで改善された点

  • カメラ上部に取り付けるときの問題点
  • スクリーンのテカり対策
  • 電源関連の問題点
  • バッテリー挿入時のがたつき
  • 堅牢性の低い組立品質

それでは新機能と改善点を見て行こう。

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太陽光下でも視認性の高いディスプレイ

この改善点は、私にとっては大きい。ジンバルで撮影するためフードが使えなく、太陽光下で視認性の高いディスプレイを探していたのだ。Shogun FlameのProRes記録機能とこの機能は、大きなプラスポイントだ。

これは、お世辞ではなく、本当に明るい。

ニュースカメラマンのMatt Allard氏は照度計を用いて、1500nitというのは確かだと言っているが、下の写真を見れば一目瞭然だろう。

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ShogunとShogun Flameの比較。太陽光下での視認性の高さが分かる

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Atomos H2Sコンバーターのテストパターンでのテスト。どちらも最大照度の設定。

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Shogun Flameの視野角も向上している。ぎらつき感はあまりコントロールされていないようだが(双方とも表面はつるつる仕上げ)、輝度が上がっているので視認性も向上している

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各種モード

AtomosはHDRモードと太陽光下モードが選択できると言っているが、実はモードは4つある。ネイティブソースビデオ、AtomHDR、Log To Video、そしてカスタムルックの各モードだ。

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ネイティブソースビデオモードは、カメラからの信号をそのまま表示するモード。ブライトネスを除いて、他の機能ボタンはグレーアウトされる。

AtomHDRモードは新設のHDR機能だ。詳細は後述するが、ここでソフトクリップ、Viewing Environment(明るさ)に加え、カメラタイプ、ガンマ、ガマットも選択できる。

Log To VideoモードはAtomosHDR同様、カメラ、ガンマ、ガマットの選択ができるが、Rec709に変換して表示できる。初代ShogunであらかじめLUTをロードしておけたのと同じような機能だ。

カスタムルックモードはカスタムLUTをロードできる機能。このモード時のみルックを保存しておき、後でスプリットスクリーンで見ることができる。AtomHDR、あるいはLog To Videoでは保存できない。

AtomHDRと他の3つのモードでは、明らかに明るさが違うと思っていた。即ち、1500nitの明るさはHDRでは期待できないと思っていた。しかし、実際はHDRモードでの輝度低下はそれほどでもなく、スーパーフラットな映像の場合は、むしろネイティブソースモードよりも明るかったのだ。

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AtomHDRについての詳細

最初にこの機能を見たとき、ギミックではないかと思った。ニューテクノロジーのように聞こえるが、本質は10ビットのパネルでハイダイナミックレンジにする単なるLUTではないのかと。

Canon C100 MarkIIに接続して、この新機能を見てやろうと思ったのだが、ちょっと真価が発揮できなかった。色味が付きすぎ、コントラストも過多気味で、露出を決めるのに苦労したからだ。

しかし、ソニーのα7RⅡのS-logモードでテストした結果、考えが変わった。

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Shogun FlameはArri、ソニー、キヤノン、パナソニックの各Logに対応しているが、S-logのようなスーパーフラットなプロファイルでは、露出、モニター、撮影において極めて使い勝手が良いのだ。

Log入力をモニターするとき、寝ぼけた画を見なければならないのに辟易するし、Rec709に変換しても、ダイナミックレンジの全域を見ることができないのは頭痛の種だ。しかし、このモードを使えば、ダイナミックレンジをそれほど上げなくても、ある程度の色味やコントラストを付けることができる。

確かにカスタムLUTを使うという手段もあるが、様々なフォーマットに対応した方法を使う方が面倒でない。

露出に気を付ける

AtomHDRモードをもっと使いやすくする機能がある。

ビューモードを切り替えても波形モニターは影響を受けない、ことを利用する。即ち、波形モニターで見ている信号は、モニターしているものではなく記録しているものだということだ。

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AtomHDRで露出を見るときは注意する必要がある。何を見ているのかに注意を払っていないと、簡単に露出ミスを犯してしまう、ということだ。例えばメニューのViewing Environmentを見てみよう。AtomHDRモードでは、カメラの露出を変えている錯覚にとらわれるが、これはネイティブビデオモードで輝度設定を行う場合と異なっている。

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ポイントは波形モニターを使うことだ。最初にネイティブソースモードで波形モニターを使って露出を決め、AtomHDRモードに切り替える。そしてViewing Environmentスライダーで明るさを調整するのだ。

消費電力と堅牢性

初代Shogunで最もがっかりした点は、消費電力が大きいこととバッテリースロットがひとつしかなかったことだ。また、全てではないが、幾つかのバッテリーを装着するとガタがあった。初代Shogunではこのあたりの不満が残っていた。

Shogun Flameでは二つのバッテリースロットが設けられた。どちらもしっかりバッテリーをホールドするし、初代Shogunでガタがあったバッテリーも問題なく装着できた。

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ただ、ディスプレイが明るくなったことと、バッテリースロットが二つになったということは、消費電力が増えたということでもあるのではないだろうか。

これをテストするため、ちょっと非科学的ではあるけれども、次のような実験をしてみた。Atomos H2Sを使って、二つの7インチレコーダーに入力し、どちらもディスプレイは最大輝度にセット、同じ時に同じ店で買った二つの新品バッテリーをフルチャージして取り付けた。

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そして同時に記録ボタンを押し、連続動作させた。どちらが長時間記録できるだろうか。

私の想像ではShogun Flameの方が30%ほど悪いのではないかと思っていた。しかし、驚いたことに、初代Shogunよりたった6分早く記録を終了しただけだった。

もちろん科学的ではないことは分かっている。バッテリーの差異もあるだろう。しかし、もし歴然たる差異があったなら、これら2機種の違いを見つけられただろう。

ディスプレイが明るくなったのにもかかわらず、消費電力に影響していないのは素晴らしいし、その上、バッテリーのホットスワップ機能がついたのは、本当によかった。

ただ、バッテリーが実際に無くなってしまうタイミングよりかなり前に切り替えてしまう印象があるが、どうなのだろうか?

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6.5Vでバッテリー警告が点灯するが、それ以降思いのほか長く使用できるので、改善してほしい点である。

警告表示を、緑→橙→赤というふうにすれば良いと思うのだが。

組み立て品質

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Flameでは組み立て品質が改善されている。

初代Shogunでは気を付けて扱う必要があった。年間何台か使用したが、それぞれにちょっとした不具合があった。例えば、ボタンがまっすぐ組み付けられてないとか、角が割れかけているとか、壊れやすそうな通気口とかである。

Shogun Flameでは、堅牢性が増し、通気口も小さくなって、かなり改善されたようだ。

ラバーエッジは手触りも良い。ただ、個人的には派手なイエローとかレッドはあまり好きではないのだが。

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まだまだ考えて欲しい点もある。隙間からケーブルが露出しているのが見える。このような点に関していえば、SmartHD502のほうが上である。

起動時間とファン

Shogun Flameの立ち上がり時間は10秒ほどだが、これは初代Shogunに比べると2~3秒遅い。

起動中はファンノイズも大きいが、立ち上がってしまうと聞こえないほどに低下する。ただ、初代Shogunより音は大きい。

他の機能

長年Atomosの製品を使ってきて思うのは、多くの機能を使っていないことだ。

ここまで、Shogun Flameの表立った機能について説明してきたが、今までAtomosのモニター/レコーダーと使ったことが無いユーザーは、以下の便利な機能も知っておくと良いだろう。

  • HDMI/SDI相互変換
  • 各種カメラで記録開始、停止をコントロール
  • 4KからHDへのダウンコンバージョン
  • インタレースからプログレッシブへのプルダウン変換
  • プリロール機能
  • タイムラプス機能
  • タイムコード埋め込みとオリジナルタイムコードの参照
  • ProRes422、LTおよびHQ対応
  • Avid DNxHD 220x、220、145、36対応
  • 120pまでの1080記録
  • 30pまでの4K記録
  • カスタマイズスコープ機能(波形モニター、RGB表示、ベクタースコープ、ルミナンスオーバーレイ)
  • カスタマイズピーキング、偽色表示、ゼブラ、フォーカスズーム)
  • アスペクトレシオオーバーレイ、アナモルフィックスクィーズ
  • メタデータ挿入
  • イメージフリップ、ディスプレイオフ
  • カスタムLUT、ルック適応記録と出力

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アクセサリー

初代Shogun同様、Shogun Flameにも、HDDキャディー、USB3リーダー、バッテリーチャージャー、ACケーブルなどのアクセサリーが同梱されている。

キャリーケースも標準で付いてくるのはありがたい。Shogunのイエローカラーなのはいただけないが。

幾つかの変更点もある。Dタップ出力ケーブルが標準装備になったこと。これにより、ダミーバッテリーアダプタを介さなくても直接電源入力ができる。

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フードも標準装備になったのは大歓迎

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そして最も重要なのが、バッテリーチャージャーが大きく改善されたこと。従来のチャージャーはチャージ時間がかなり長かった。NP-F970のような大きなバッテリーのチャージは、それこそ1日がかりだったのだ。

新しいチャージャーは大きく改善された。インジケーターが付き、3倍程度早く充電できるようになったのだ。

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ただ、AC/DCコンバーターは大きく、携帯するのが嫌になる。

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まとめ

このアップデートはユーザーにとって、メリットが大きいだろう。

10ビットプロセス、AtomHDR、1500nitのディスプレイなど大きな機能追加に加え、堅牢性や電源の問題も改善された。

ただ、7インチモニターはオンカメラモニターとしては大きく、重すぎる。

Infernoは7インチが良いのだろうが、やはりShogun Flameや Ninja Flameには5.5インチが望まれる。パネルの種類を増やすとコストが高くなるかもしれないが、人間工学的にはずっと意味があることだと思う。

AtomHDRは、ハイダイナミックレンジの映像をモニターするのに適している。ただ、上に述べたように、露出には注意する必要がある。

Shogun FlameとSmallHD702を並べて、太陽光下で比較してみたい。ロンドン在住で後者を持っている方がおられれば、是非連絡してほしい。

Shogun Flameを数週間にわたって使って見ていろいろ分かったけれども、まだまだ見足りないところもある。もし知りたいところがあれば、下のコメント欄からお知らせ願いたい。AtomHDRのログモードをもっと試してみたいと思っている。

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