AVIDは、 Avid Media Composer 2020.4アップデートをリリースした。このアップデートにより、64ビットに移行し、macOS Catalinaや最新のMac Proで使用できるようになった。また、Media Composer 2020.4はWindowsユーザー向けのProResをサポートするが、新しいUniversal Media Engineは、Quicktimeに代わり、すべてのインポート/再生/編集/エクスポートタスクを処理する。
64-bit化とMac Pro対応
Appleは2年以上前からNLEメーカーなどに、32ビットアプリを排除することを推奨している。早急に64ビットに切り替えたメーカーもあるが、AVIDは時間がかかった。そのため Avid Media Composerは32ビットのままで、macOS Catalinaや昨年冬にリリースされた最新のMac Proには対応していなかった。
Avid Media Composer 2020.4アップデートにより、Media Composerは最新のAppleパソコンで使用できるようになった。
Universal Media EngineとProRes RAW
もう1つの主要な更新は、新しいUniversal Media Engineの追加だ。この新しいメディアエンジンは、QuickTimeに依存せず、映像ファイルのインポート、再生、編集、およびエクスポートのパフォーマンスを向上させる。これがどの程度効率的になるかはまだ確認されていないが、今後検証したい。
一方、Windowsユーザーは、完全なデコード(読み取り/再生)とエンコード(書き込み/エクスポート)に関して、ネイティブでProResメディアを作成、編集、コラボレーション、およびエクスポートできるようになった。なお、ProRes RAWのサポートについては情報が無い。
インターフェースとUIの改善
またMedia Composer 2020.4アップデートではUIとインターフェイスが改善され、より効率的になっている。以下はそのリスト。
- タイムラインシーケンスマップで、ビューサイズのスクロールや変更なしに高速ナビゲーションを実現する。
- ビンの背景色とビンのタブ色を関連付けることにより、ビンを視覚的に識別。
- Titler +の改善により、タイトルをより効率的に作成。
- 一括編集機能で、ビン列の複数の行を一度に変更可能。これにより、クリップ名にテキストを追加したり、カウンターテキストをクリップテキストに追加したり、既存のテキストに基づいてコメント列を自動生成できる。
- 複数選択機能により、クリップ情報やステータスを一括変更。
- シーケンス内のすべてのミュートされたクリップを選択し、一度にミュートを解除。
- クリップから無音部分を取り除き、サウンド要素をクリーンアップ。
- 新しい9×16および1:1のマスクマージンとFrameFlexフレーミングプリセットにより、モバイルビデオプラットフォームやソーシャルメディアに対応。
- ACESスペースでの細かいゲイン調整、15の新しいカラースペースにより、正確にカラーを微調整。
- Avid S1コントロールサーフェイスや無料のAvid Controlモバイルアプリを使用して、オーディオメータリングやその他のビデオ編集タスクをサポート。
- インターフェイスウィンドウとレイアウトを同じ相対的な位置とサイズにロック。
- タイムラインとメタデータビューアウィンドウの明るさを環境に合わせて調整。
- タイムラインの下部のツールバーにツールをマップ可能。
- フォント、フォントサイズ、スプリッターをエフェクトパレットで調整可能。
価格と発売時期
Avid Media Composer 2020.4アップデートは、既存のユーザーは無料でダウンロードできる。
AvidのWebサイトはこちら。