Apertusは、世界で初めてのオープンハードウェアおよびオープンソフトウェアのシネマカメラであるAXIOMの技術および設計に関する新しいアップデートを発表した。このカメラの詳細を報告しよう。
Apertusのプロジェクトは、技術と芸術の分野(開発者、映画制作者、エンジニア、アーティスト)のエキスパートチームの支援を受け、AXIOMカメラの次のステップを踏み出している。
cinema5Dは当初よりこの野心的なプロジェクトをフォローしているが、このオープンソースのカメラの進展は実に素晴らしい。ここにきていよいよシネマカメラの様相を呈してきたと言える。
主な特長
- 4K解像度
- Super35mmセンサー
- グローバルシャッター
- ダイナミックレンジ最大15ストップ
- 最大300 fps
- 12ビット
- 目標価格が10,000ドルを大幅に下回る
センサーについての詳細はこちら。
開発の現状
AXIOM Betaカメラには、構造と機能で3つのバージョンがある。
- Developer kit (DK):スケルトンフレームは、電子機器、レンズマウント(Eマウント)、三脚をサポートするが、AXIOM Betaの電子部品やコネクタには簡単にアクセスできない。
- Compact (CP):電子部品を覆う堅牢かつ軽量なアルミニウム筐体で、マウントポイントと拡張スロットを備える。リグの装着や屋外使用に適する。
- Extended (EX):記録機能(AXIOMレコーダー)を持ち、より人間工学に基づいた構造で、ショルダーマウントでの撮影に適する。
同チームによると、27台のAXIOM DKが製造され、更に追加生産されている。現在、ワークフローの自動化により、電子部品生産性を高めることに注力している。
このカメラはオープンソースのため、ユーザーのコミュニティのサポートが重要となる。それが、以下に述べる開発を加速する主な理由だ。
デザイン
デザインコンセプトはかなり固まってきており、用途に応じて様々な形にすることができる。
非圧縮4K RAW記録
新しいAXIOM USB 3.0プラグインモジュールは、USB 3.0が搭載されているパソコンを非圧縮RAW 4K記録ができるAXIOMレコーダーとして使用することができる。 1つのAXIOM USB 3.0モジュールは約400MB / Sの帯域幅を提供する。
記録はこのカメラのコンパクトなサイズと機能性から理想的なプラットフォームであるINTEL NUCで行う。 NUCは強力なコンピューティングパワーを提供し、単一のSSDや大容量のRAIDベースのSSDと組み合わせて使用することができる。
CADによる設計
CNC (Computer Numerical Control:コンピュータ数値制御)により作り出されるアルミニウム筐体は、エレクトロニクス部分を保護し、使用環境の厳しい制作現場にも十分対応できる。
AXIOM Beta用シェル(ケージ)
シェルは、アクセサリーを取り付けるための多くのマウンティングポイントを持ち、カメラを保護し、撮影に柔軟性を提供する。
AXIOM Beta Extended
ハンドヘルド、ショルダー、クレーンマウントなど、あらゆる撮影形態に対応し、人間工学的に使い勝手の良いカメラボディを提供する。
発売時期と価格
AXIOMは現在、開発者と早期ユーザーに出荷されている。更に改良された筐体やカメラコントロールなども今後用意される予定。 なお、XIOM Betaを使用するには、プログラマである必要はない。
現在、カメラの購入方法は幾つか用意されている。
- AXIOM Developer Kit:開発者向けで価格は€3,990.00。
- AXIOM Production Ready:アルミ筐体を採用し使い勝手の良いAXIOM Beta Compactは、写真やビデオ制作に最適。このバージョンはまだ開発中だが、入手可能になったときに通知を受けることができる。価格は€5,990.00。
- 自分でカメラをカスタムビルドすることもでき、ヘビーデューティーなDIYユーザー向け。
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AXIOMチームによれば、どのバージョンのカメラも、優れた画質、高いフレームレート、豊富なカラーサイエンス(マジックランタンチームとの共同開発)、使いやすいフォームファクタ、柔軟なカスタマイズを提供するとのこと。
下のビデオで、AXIOMのサンプル映像を見ることができる。
将来の方向性
この壮大なプロジェクトは急速に進んでおり、AXIOMチームは開発者の参加を望んでいる。 Apertusにサインアップすると、プロ用カメラに一大革命を起こすかもしれないカメラの開発にかかわることができる。