ブラックマジックデザイン DaVinci Resolve16の新機能
BlackmagicはDaVinci Resolve 16を発表し、多くの新機能とバグ修正を行なった。この新しいバージョンは、新しいカットページ、大幅なFusionの改善、新しいカラーツール、そしてこれまで以上に優れたFairlightオーディオエディタを備えている。
DaVinci Resolve 16 Cut Page
DaVinci Resolveは毎年アップデートされ、多くの編集機能を実装してきた。この新しいバージョンも同じで、今回発表されたDaVinci Resolve 16の最も重要な部分は新しいカットページだ。
このカットページは、編集ページに代わるものではない。カットページは、プロジェクトを効率的に進められるよう設計されている。この新しいかっとページでは、Final Cut Proのマグネットタイムラインの影響が垣間見られる。
新しい機能は以下のとおり。
- タイムラインのズームイン/ズームアウトを必要とせずに、編集全体を素早くナビゲートし、ショットを移動し、トリムして編集できるデュアルタイムライン。カラーページをご存知なら、すぐに概念を理解できるだろう。
- ビューアの新しいトリムインタフェース。これにより、前後のショットを確認して、各ショットをフレームごとに正確にトリミングできる。
- ソーステープは、選択したビンのすべてのクリップがシングルテイクのように見える。そのため、ビン内のテイクを検索しなくても、すべての映像を見てタイムラインにショットを追加することが簡単にできる。
- クイックエクスポートを使用すると、[レンダリング]ページに移動しなくてもVimeoやYouTubeにエクスポートおよびアップロードできる。
- カットページでは、エフェクト、カラーマッチング、いくつかのカラー機能を直接適用できる。
新しいカットページは、編集ページに行く前にラフ編集を作成するのに最適なツールだ。
DaVinci Resolve 16 Edit Page
Resolve Editページはすでに多くの編集ツールを持っている。編集ページについては、BlackmagicはAdobe Premiere Proから多くのことを学んでいるようだ。 DaVinci Resolve 16には、次のような便利な機能が追加されている。
- 同じプロジェクト内で異なるフレームレート、解像度、モニタリング、および出力設定でタイムラインを作成できるようになった。多くのユーザーが待ち望んでいたことだろう。Premiere Proでは当たり前の機能だ。
- Adjustment clipを使用すると、ブレンドモード、変形、ResolveFX、カラーグレードなどをタイムライン内のクリップのスタックの上に適用できる。
- 手ぶれ補正機能はショットを分析し、編集ページの右にあるフルカメラロック、ズーム、スムーズ、強度コントロールで手ぶれ補正を最適化できる。
- テープスタイルのオーディオスクラビングが追加されたため、タイムラインをスクラブしながら音声を聴くことができる。
- Frame.ioがDaVinci Resolveに統合された。Frame.ioについてのレビュー記事はこちら。
- キーフレームカーブエディタを使用すると、ResolveFXとOpenFXをタイムラインで直接キーフレーム設定できる。
- 新しいモードでは、タイムラインを重ね合わせることができるので、異なるバージョン間でコピー/ペースト/編集することができる。
最後に、顔認識は人物に基づいてショットをビンに自動的に分類することができる。それが完璧に機能するかどうかは不明だが、DaVinci Neural Engineの初採用だ。この新しいNeural Engineは、GPU処理とAIを組み合わせたもので、作業時間を短縮できる。それは映像素材のより速い処理を可能にし、オプティカルフローの結果を改善し、他のプロセッサやGPUに集中的なタスクを提供する。
DaVinci Resolve 16 Fusion Page
Fusionページにもいくつかのアップデートがあった。
- すべての3D操作に対するGPUパフォーマンスが向上した。ディゾルブ、タイムエフェクト、ステレオ、ピンニング、カラーエフェクトなど多くのエフェクトも、GPUの改善から恩恵を受けている。
- カメラトラッカーのパフォーマンスと精度が向上した。
- スマートキャッシュとユーザーキャッシュが向上し、より速く信頼性の高い再生が可能になった。
- メモリ管理が改善されたため、大きな構成で作業するのが速くなる。
DaVinci Resolve 16 Fairlight Page
FairlightはDaVinci Resolveのオーディオ部分であり、フル装備のミキサー、EQとダイナミクス処理、オーディオ編集ツールなどを備えている。 DaVinci Resolve 16の新しいオーディオ機能は次のとおり。
- 500のロイヤリティフリーサウンドのサウンドライブラリー。
- Dolby Atmos、Auro 3D、SMPTE ST 2098などの3Dオーディオフォーマットに対応した3Dオーディオ。
- ProToolsは、ピッチを変更することなく、オーディオを引き伸ばして、あるクリップの波形を別のクリップの波形と整列させたり、画像効果にリタイミングできる。
- ATSC、1770、R128などのラウドネスモニタリング規格をサポート。
- 周波数アナライザ、リミッタ、位相計、ダイアログプロセッサ、新しいフォーリーサンプラなどのFairlightFXプラグインの追加。
DaVinci Resolve 16 Color Page
カラーページはすでに利用可能なカラーコレクションとカラーグレーディングソフトウェア。 DaVinci Resolve 16ではカラーページに以下を追加した。
- ResolveFXおよびOpenFXトラック/プラグインにキーフレームを設定する機能。
- GPUは、より高速のパフォーマンス、およびモニタリングのための多数の新しい表示オプションを使用し、スコープを高速化。
- カスタムカーブとHSLカーブはカーブツール内にヒストグラムで表示できるようになった。
- オートカラーバランスおよびオートショットマッチツールは、DaVinci Neural Engineを使用して画像を処理。
- 1つのノードからカラーグレード、ウィンドウ、トラッキング、およびプラグインの効果をコピーし、必要な属性だけを別のノードに貼り付け可能。
- SDIまたはHDMIビデオ出力を使用してカラーページビューアを作成できる。映像をズームインすると、ズーム画像がユーザーインターフェイスとビデオ出力ディスプレイの両方に表示される。
- 3つのノードを使用するよりも、ビューアで直接R、G、Bチャンネルを個別に表示することが簡単になった。
DaVinci Resolveキーボード
DaVinci Resolve 16に対応するために、DaVinci Resolveキーボードが発売された。組み込まれたショートカットキーで、速く作業できるように設計されている。また、キーボードの右側には、内蔵ジョグホイールがり、両手を使って作業することができる。右手で映像や編集をスクロールし、左手でイン/アウトポイントをマークしたり、トランジションを適用したり、タイムラインにドラッグしたりできる。カット、ディゾルブ、スムーズカットの切り替えができるトランジション選択ボタンもある。
キーボードは金属製で、堅牢にできている。各キーは、100万回以上の動作が保証されているほか、キーボードを修理する必要がある場合に備えて、キーキャップ、ハンドレスト、およびキースイッチはすべて予備部品として用意されている。
価格と発売時期
DaVinci Resolve 16はまだベータ版だが、標準バージョンは無料で、スタジオバージョンは299ドルでBlackmagic DesignのWebサイトからダウンロードできる。
なおDaVinci Resolveキーボードは1,025ドル(高価!)で、現在入手可能。