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ブラックマジックデザインがBlackmagic RAW発表―無償アップデート、12ビット圧縮RAWでカメラ内記録が可能

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Blackmagic RAWがURSA Mini Pro 4.6KとDavinci Resolve用のパブリックベータ版として発表された。Blackmagic Design社の他のカメラにも随時アップデートがリリースされる予定だ

この技術によってBlackmagic Design社のカメラ及びDavinci Resolve上で12ビットのカラースペースを使い最大限のダイナミックレンジと色情報の記録が可能になった。これらは全て効率の良いデモザイク処理過程上で行われ、その一部はカメラの処理能力を使用する。更に、第4世代のBlackmagic Designカラースペースを使用することでBlackmagic RAWは肌のトーンや色をより正確に再現。ファイルサイズも従来のRAWファイルと比べて格段に小さい。

フレキシブルなBlackmagic RAW圧縮

カメラ内の録画における圧縮方法は2種類から選択できる。1つが固定クオリティー、もう1つが固定ビットレートだ。前者の固定クオリティーはRAW Q0を使用しビットレートは可変、よって可能な限りのディテールを高ビットレートで記録することができる。対してRAW Q5ではエンコーディングの効率性を優先、従ってファイルサイズも小さくなる。更に固定ビットレートでは圧縮率を4段階で選択でき、一番圧縮率の低い3:1におけるビットレートはおおよそ127Mbps、対して12:1の圧縮比では約32Mbpsとなる。どの圧縮率を選択してもカラースペースは12bitで変わらない。

Blackmagic Design社のカメラに従来あるcinemaDNG RAWは連続した静止画のシークエンスとして記録するコーデックなのに対してBlackmagic RAWは映像を1つのファイルとして記録、これによってファイルデータの受け渡しや編集方法にも柔軟性が生まれる。

圧縮率が選択可能であるということは画質を優先するかそれともファイルサイズを優先するかを撮影時に決定できるということだ。プロダクションの要求内容に応じて制限なく柔軟に対応できる。Blackmagic RAWはファイルサイズがたとえ小さくても効率的なエンコーディングとハイパフォーマンスを実現するとしている。更にはデモザイク処理の一部がカメラ内で行われることによってDavinci Resolve上での負荷が軽くなるだけでなくGPUやCPUのハードウェア・アクセラレーションを併用することによって処理時間の短縮も望める。

Blackmagic RAWコーデックでは各カメラの情報をメタデータによって収集され、映像データ、センサーの特徴がファイルに記録される。結果、従来のRAWファイルと同様にISO、ホワイトバランス、コントラスト、サチュレーション、露出、そしてカメラ情報やカラーサイエンスをコントロールすることができる。これを利用することによってエディターは記録された映像(それが圧縮されていても)の情報を最大限に使い編集することが可能になるわけだ。

編集でRAWファイルに加えた各パラメータの変化(露出、ホワイトバランス、コントラストなど)はSidecarというファイルに別に保存され1つのプラットフォームから異なるプラットフォームへの移行が容易にできる。つまりRAWファイル自体に変化を加えることなく、そして使用するOSや編集ソフトに関わらず映像や設定を同一に保つことが可能となるわけだ。

自身のプラットフォームにこのコーデックの統合を望む開発者には、ソフトウェア開発キットも無償で公開されている。Blackmagic Design社は他メーカーでBlackmagic RAWをハードウェアレベルで取り入れる希望があれば対話する準備ができているとしている。

完全無料のアップデート

Blackmagic RAWパブリックベータ版は、URSA Mini Pro 4.6KにはCamera 6.0 Betaアップデートを通じて、Davinci Resolveはバージョン15.1をインストールすることで使用できる。どちらも無料だ。Blackmagic Designのウェブサイト上でこのコーデックを使用した4つのファイルがダウンロードできる。

今回のBlackmagic RAW発表によって同社のカメラを使用するクリエイター、そして編集やグレーディングでDavinci Resolveを使うクリエイターは共に非常にハイエンドなツールを手にすることとなる。ポストプロダクションにおける映像データの編集の自由度は今までに類を見ないものだ。

現在このアップデートを使用できるカメラはURSA Mini Pro 4.6KのみだがBlackmagic Designによれば同社の他のカメラ、例えばポケットシネマカメラ4Kなどにも随時リリースされる予定だ。

 

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