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ブラックマジックデザイン URSA Mini Pro - 実写テストとファーストインプレッション

URSA Mini Proは、URSA Mini 4.6Kと同じセンサーを使用しているため、当初画質テストの予定はなかった。しかし、URSA Mini Proで撮影してみると、画質が従来のものよりもシャープだと感じた。そこで、改めて作品を作り、そのファーストインプレッションをまとめてみた。

Blackmagic URSA Mini Pro

Blackmagic design URSA Mini Pro.

ブラックマジックデザインは今月初め、新しいURSA Mini Proを発表した。今回のレビューでは、実用では装着するようなアクセサリー等は使用せず、そのままの状態でチェックしている。使用してみて、このカメラは同社のこれまでのカメラから一皮むけたような印象を持った。URSA Mini Proについては、以前にハンズオン記事も掲載しているので、こちらもご覧いただきたい。

オリジナルのURSA Miniが導入されたとき、同社のカメラの従来のデザインから大きく飛躍した。 そして新たに登場したURSA Mini Proは、更に洗練されたカメラとなっている。例えば、NDフィルターが内蔵されたことにも象徴されるが、製品だけでなく、以前のように発表から発売がかなり遅くなってしまうといったことも改善されている。

Blackmagic URSA Mini Proを使用してみて

上のショートビデオでは、ショルダー操作、低照度撮影、ビデオ画像プロファイル、インタビューでの撮影など、いくつかの使用環境をシミュレートしている。最初に結論を言ってしまうと、撮り方にかかわらず、結果は素晴らしい映像を収録できた。非常に有機的で美しい映像だ。実際、URSA Mini Proをブラックマジックデザインに戻した後、URSA Mini 4.6Kを使ってみると、URSA Mini Proがいかに優れているかがはっきり認識できた。

テストでもう一つ確認したかった点は、以前のモデルで気になっていたオーディオ品質だ。 同社がこの問題を重視してくれたことは評価したい。また、LCDディスプレイも新たに追加された。カメラのOSが進化したのだろうか、非常に反応が速く、全体的にはとても快適だった。もう1つの大きな特徴は、記録メディアを選択できるようになったこと。高速SDカードが、従来のCFastカードに加えて使用できるようになった。推奨SDカードとCFastカードのリストは、こちらを参照されたい。

それでは、カメラ本体と、アクセサリーに分けて見てみよう。

カメラ本体:内部NDフィルターが新たに搭載されたので、明るい環境下でも撮影が簡単になった。 一方で、低照度撮影については、他の最新のカメラが持っている柔軟性と使いやすさに欠ける可能性がある。一般的なドキュメンタリーシューティングなどではISO1600は問題無いだろう。ただ、照明条件が十分でない場合は、粒状のノイズが見える。明るいレンズを使用することでこの問題を回避することができ、プライムレンズなら多くの種類の中から選択できる。ただ、EFマウントのズームレンズとなると、写真用以外で明るいレンズを探すのは難しいかもしれない。

アイリスコントロール用のホイールはこの位置についている

従って、明るい写真用のズームレンズを選択せざるを得ないが、そのためにはアイリスコントロール用のホイールがもっと使いやすい場所になければならない。このカメラを使用するカメラマンは、当然アイリスコントロールはマニュアルで行うことが多いだろう。

考慮すべきもう1つのポイントは、オートフォーカスだ。オートフォーカスは非常に遅く、これは使わないほうが良いだろう。 またオーディオ機能に関しては、エンドレスに回るボリュームつまみを未だに採用している。これも使い物にならない。

アクセサリー:オプションのショルダーマウントキット、OLED EVF、ハンドグリップは従来と変わりがないが、機能的に注意が必要なものが幾つかある。ショルダーマウントキットについては、言うことはない。 よくできており、使いやすく、価格も安価だ。

OLED EVFに関しては、その光学的なクオリティーについて多くが語られているが、それ以外にも、3個のユーザーボタンは硬いプラスチックではなく柔らかいゴム製が好ましい。操作音が大きいのだ。つまり、撮影中にボタンを押すと、特に静かな場所でのインタビューでは、オーディオのクリック音が拾われる危険性がある。次に、ハンドグリップだ。これはまだかなり検討の余地があるだろう。ショルダーオペレーションでは大変便利なものだが、微調整が難しく、また、回転を片手でコントロールすることも難しい。

OLED EVFのファンクションボタン

 

3種類のレンズマウントをサポート

ユーザーがカメラのレンズマウントを変更できるようにすることで、同社は、ひとつのカメラを映画、放送、スタジオと幅広い分野で使用できるようにした。ENGのカメラマンと映画のカメラマン両方に同じカメラをアプローチするという意味では、かなり冒険的だ。同じカメラを全く異なる使い方で使用することになる。

URSA Mini Pro と交換用マウント (Photo credit: Blackmagic design)

非常に競争力のある価格設定ではあるが、実際の運用面から考えると、放送局がURSA Mini ProをENGカメラに採用するのは現実的ではないだろう。例えば以下のような点だ。

  • ほとんどのENGカメラとボタンレイアウトが異なる。 例えばURSA Mini Proの電源ボタンが良い例だ。些細なことのように見えるが、ニュースカメラマンは電源ボタンの位置は体が覚えており、この「間違った」場所に電源ボタンがある事自体、受け入れられない。
  • インデペンデントなカメラマンには自動音声レベルコントロールが必要だが、これが装備されていない。
  • カメラの起動時間は、従来のものより改善されているが、それでもニュース取材用には遅すぎる。

これらの点は、ENGユーザーにとっては重要だが、映画撮影では特に重要なものではない。テレビ局がENGカメラを一括してURSA Mini Proに変更するのは、お勧めできることではない。しかし、各ENG部門に1つのURSA Mini Proを導入することは、意義あることだろう。独特のルックが要求されるハイエンドのプロダクションやドキュメンタリー向けに、また大型センサーカメラの使い方をスタッフに教えるためには非常に有用だ。

ショルダーオペレーション

まとめ

URSA Mini Proで撮影してしまうと、URSA Mini 4.6Kにはもう戻れない。新しいモデルは文字通りあらゆる面で優位性がある。実際、このカメラは同社がこれまでに作った最も完成度が高いカメラと言える。Pocket Cinema Proをはじめ、同社の他のカメラも、同様に進化して欲しいものだ。

冒頭のビデオのカメラ設定:Adobe Premiere Proの最新バージョンで編集。ProRes 422 HQ、4K DCI、25p。 FilmConvert URSA Mini 4.6Kプリセット「フィルムストック」FJ8553 ETでカラーコレクション。

Music by Art-list. Song: Gramercy by JCNY – Currents of a City.

Many thanks to Agustina Pezzani and Zach Kornell (https://www.rednoses.eu)

 フジヤエービックのショップサイト

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