Granite Miniバッテリーの発表から1年以上が経過し、Blueshapeはいよいよ出荷を開始した。Granite Miniはシネマカメラに最適のバッテリーのひとつと言える。個人的にも気に入って使用している、ゴールド/ Vマウントバッテリーだ。
バッテリーは、地味な機材だ。バッテリーを夢中になって使っているユーザーはあまりいないだろう。しかし、映像制作には必須のツールであり、現在では多くのバッテリー各メーカーから発売されている。
私なりに、Gold Mount / V-Lockバッテリーを3つのカテゴリーに分類してみた:
- コンパクト(通常70-95Wh):サイズも容量も小さく、最大負荷が低い(6Aまたは70W程度)
- 中規模(100-150Wh):中程度のサイズで、ドローンで安全に飛行するための最大容量、あるいは最大負荷(約10-12A、100 + W)で、ライトや大型カメラにも対応
- 大(180 + Wh):大容量と高負荷だが、ドローン用には使えない
私は自分の用途から、最初の2つのカテゴリーのバッテリーに興味がある。柔軟性の観点から、バッテリーには多くの要求がある。多くのカメラマン同様、私は旅行することが多く、リグをコンパクトにする必要があるが、カメラや照明機器用には放電特性の高いバッテリーが必要だ。
IDXは新しいコンパクトなバッテリーのシリーズを発表した。これは、より小さな筐体ながら、更なる容量を実現したものだ。 すなわち、従来の73WHと同じサイズで95WHを実現している。これらは素晴らしいのだが、小さいものは高い放電特性を持たないので、ARRIやREDのような電力を必要とするカメラシステムにはあまり適していない。
Anton BauerのCineシリーズは、これらのカメラに最も適しているバッテリーのひとつだ。小型で、かつ高い放電能力を備えており、照明器具や大きなカメラに適している。しかし、高さが抑えられた分、厚さが増えているので、カメラシステムは長くなってしまう。
そんな中、2016年4月に発表されたBlueshapeのGranite Miniは、私の興味を引いた。
このバッテリーは実に小さいながら、高容量と高い放電特性をもつ。 大きさは平均的なゴールドマウント/ Vロックバッテリーの厚みだが、高さもコンパクトに収まっている。この高さが重要なのだ。
シネマカメラは年々小さくなってきているのに、バッテリーは対照的だ。折角カメラがコンパクトなのに、バッテリーが大きいために全体のシステムが大きくなってしまう。
Blueshapesは、最近の映画カメラ、特に、不格好な背の高いバッテリーをマウントしているRED Dragonのボディによくフィットする。
Blueshape Granite Minisは95Whと140Whの2種類の容量を選択できる。最大負荷は12Aで、smart D-tapポート2つ(これによりアクセサリーへの電源供給と充電ができる)とWi-Fiもサポートしている。
特に後者のWi-Fiは便利な機能だ。アプリで各バッテリーに名称を付けたり、健全かどうか、あるいは充放電サイクルや負荷、そして放電電流をミリアンペア単位でモニターすることができる。
各バッテリーのファームウェアを更新することも可能だ。側面のLEDインジケーターをクリックするとバッテリーのパワーが落ちるバグが発見されたが、Blueeshapeは、ファームウエアアップデートを即座に提供し、問題を解決した。
主な仕様
- マウント:ゴールド/ Vロック
- 種類:リチウムイオン
- 容量:95Wh / 140Wh
- 放電特性:6.3Ahと9.9Ah
- 出力電圧:14.4 VDC
- 最大付加:12 A
- アクセサリーポート:2 x D-Tap
- IP防水規格:IP54
- 大きさ: 9.5×11.6×5.8cm(W×H×D)
- 重量: 0.87 kg / 0.89 kg
Granite Minisはブルーシェイプのトレードマークであるラバーに覆われており、約1.8mの高さから硬い床に落とす落下試験もクリアしている。 またIP54規格をクリアしており、水や塵の侵入にも対処されている。
Blueshapeのバッテリーは安くはないし、4個のバッテリーを同時に充電するチャージャーは大きく、持ち運びには適していない。しかし今のところ、このバッテリーは私のお気に入りだ。
ここ数週間使ってみたが、 Blueshape Granite Miniバッテリーは非常に満足できるものだった。私はこのバッテリーが2016年に発表されて以来発売を待っていたのだが、ようやく発売に至った。