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BMPCC 6Kレビュー - 実際にドキュメンタリーを作ってみて

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Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K(以下BMPCC6K)はすでに出荷を開始している。そこで、BMPCC6Kのレビューを早急に行うことにし、前回はBMPCC 4Kとの比較を行ったが、今回は実際にドキュメンタリーを制作してみた。

BMPCC 6K camera

ブラックマジックデザインはBMPCC6Kをリリースしたが、ユーザーのフィードバックはかなり好評だ。高機能なコーデックと魅力的な価格で、多少機能の不足があるものの十分許容範囲にあるようだ。

従来のBMPCC4K(レビューはこちら)の良い点が、新しいBMPCC6Kにも受け継がれているようで好感が持てる。また、ドキュメンタリー映像クリエーターである筆者にとって、多くの点で的を射たカメラだ。ではまず、主な特徴から見てみよう。

BMPCC 6Kが「買い」の6つの理由

1-画質:BMPCC6Kは、Ursa Mini G2ともども卓越したカラーサイエンスを持つ。画像は有機的で「映画のよう」なルックで、独自の特徴を持っている。 BMPCC6Kでは、これはさらに顕著になっている。このカメラから出てくる映像は単純に美しい。

2-コーデック:ブラックマジックデザインはBMPCC6KにBlackmagic RAWコーデックを採用した。H264 / H265はサポートしていない。またRAWで記録するのに外部レコーダーが必要ということもない。Blackmagic RAWの他にはProResがサポートされている。ちなみにProResのライセンスは無料(ただしAppleの承認が必要)なので、他のカメラメーカーがH264 / H265に固執する理由が分からない。いずれにしても高機能なコーデックが内蔵されているので、外部レコーダーなどの追加は不要で、しかも高速でスムーズな編集が可能になる。

3-カメラのオペレーティングシステム:前回の記事で既に言及したが、ブラックマジックデザインのカメラのメニュー構成は、近年のカメラの中では最高のものだ。理解しやすく、操作が論理的で、探しているものを見つけるためにページを掘り下げる必要がない。

4-解像度とフレームレート:個人的には4K以上の解像度に関してあまり必要性を感じないが、筆者のようなドキュメンタリー映像クリエーターの場合、4Kでのマスターは意味がある。4K以上の解像度のマスターは必要ないが、4Kを超える解像度で収録し4Kマスターを作成するということに関しては意味のあることだ。

フレームレートに関して、4K DCIで60fpsまで対応しているので、美しいスローモーションで創造性を最大限に引き出すことができる。

5-記録メディア:これは特筆できる機能だが、BMPCC6KではBMPCC 4Kと同様、SDおよびCFastカードで内部記録できる。SSDでの外部記録も可能だ。ただし、高いフレームレートで撮影しようとする場合は制限がある。それでも、この柔軟性はもちろん素晴らしい。 なお外部SSDを使用すると、内蔵バッテリーがさらに速く消費される。

6-価格:BMPCC6KはBMPCC4Kに比べるとかなり高価になったが、機能的に考えるとさらに上級のカメラとの比較をするべきで、その場合価格的にはかなり優位になる。

 

4つの疑問点

1-シネマカメラ?:「シネマカメラ」というイメージは、十人十色だが、正直なところ、カメラのモデル名にある「シネマ」という言葉は「ポケット」と同様少し引っかかる。「シネマ」という言葉を付けることにより、連続オートフォーカスや内部手振れ補正が無いことを正当化しているようにも見える。

Nice resolution and sharp, but not good in direct sunlight: the LCD screen.

2-大きなはめ殺しLCDモニター:筆者は昔ながらのカメラマンで、巨大なLCDモニターの代わりに良いEVFを望む。このLCDモニターは、屋内で見る分には問題ないが、屋外の直射日光下で、特にメニューを操作する場合は完全に悪夢だ。 同社にはこのカメラに簡単に接続できるアクセサリーとして「Cinema Pocket EVF」の商品化を検討してもらいたい。

A necessity for me: a proper EVF on the camera.

3-オートフォーカスおよびボディ内手ぶれ補正システム:優れたオートフォーカスおよびボディ内手ぶれ補正システムは、今では贅沢品ではなく必需品だ。BMPCC 6Kのボディサイズは、ポータブルというには少し大きすぎるし、このサイズでも連続オートフォーカスとボディ内手振れ補正システムが搭載されていない。美しい映像が撮影できるカメラだけに非常に残念だ。この点に関しては、同じサイズでこれらの機能が搭載されている他社カメラが優位だ

4-カメラレンズマウント:レンズマウントの選択は少し奇妙であり、同時に素晴らしい決定でもある。ブラックマジックデザインは、URSA MiniからEFマウントを採用しており、手持ちのレンズを活用することができる。一方、このマウントは完全に時代遅れで、キヤノン自身がミラーレスのRFマウントに力を入れていることを考えると、これは奇妙な選択だ。それだけではない。キヤノンは多くの映画製作者(ビデオ画質で妥協しない人々)に向け魅力的なミラーレスカメラを提供しなかったため、多くのユーザーはソニー、富士フイルム、あるいはパナソニックに移行してしまった。最新の短いフランジのマウントを使用すると、ユーザーは手持ちのEFレンズを活用でき、場合によってはMetabones Speed Boosterを使用してさらに広い画角を得ることができる。

6K Frame Grab – click for full 6K resolution image

撮影現場で

気温が高く、雨や埃が多い現場だったが、BMPCC6Kは特に問題なく動作した。また、換気システムが再設計されており、ボディが高温になるといったこともなかった。今回は、6K 2.4:1。(6144×2560)解像度、25pフレームレートでBlackmagic RAWを使用することにした。 (ビットレートは5:1)スローモーション(120fps)は、2.8K 17:9、2868×1512(3.388xのクロップファクター)で撮影することにした。BMPCC6KはデュアルISO機能を搭載しているので、屋外のショットにはISO 400を、屋内のショットにはISO3200を使用し、可能な限りクリーンな画像になるようにした。なおBMPCC6Kは、より高い解像度(6144×3456)、より緩い圧縮(3:1)、より高いデータレート(一定品質「Q0」)で記録できるが、このプロジェクトでの必要性や記録メディアカードを考え、先の設定にした。

レンズはキヤノンEFレンズの手持ちに制限があったため、シグマ18-35mm(美しく、明るく、シャープなレンズ)、キヤノン70-200mm f / 4 IS、およびキヤノン24mm EF-S f / 2.8を使用した。この軽量パンケーキEF-Sレンズ(カメラのEFマウントに合うように背面で変更)は、手持ち撮影でも十分に使える。カメラケージは8Sinn製を使用したが、これは完璧にフィットする。モニターは、Zacuto Gratical EVFを使用した。記録メディアは、AngelbirdのAV Pro CF CFast 2.0カードを使用。安価ではないが、信頼できるブランドだ。電源供給に関しては、キヤノン LP-E6バッテリーを使用したが、特に問題は無かった。音声は外部マイクを使用しカメラで録音したが、非常に明瞭で美しい音声が記録できた。 なお内蔵マイクも搭載されているが、音質を重視するなら外部マイクをお勧めする。

残念ながら今回は暗い場所で撮影する機会が無かったが、オフィスで簡単なテストを行った結果、驚くほど良好な結果が得られた。今後より本格的なテストで、低照度機能をチェックしてみたい。

撮影中、照明条件は変化し続け、撮影条件としては理想的ではなかったが、テストという意味では最適だった。また、ダイナミックレンジを確認するために、オープングレーの空に対して人物を配置してみた。ポストプロダクションで後処理をすると、まだ多くのディテールが残っていた。AFに関しては、被写体にフォーカスを合わせ続けるのに苦労した。理由は筆者が歳をとったか、Zacuto EVFが良くなかったのか、6Kが原因なのか、良く分からない。

消費電力が小さくないため、電源に関しては常に残量を確認する必要がある。まるでEV(電気自動車)を運転しているようだ。さらに6Kで撮影するときは、メディアの残量を常に意識する必要がある。このカメラで撮影するときは、バッテリーの消費量とメディアの消費量の両方を適切に管理する必要がある。

カメラに直接関係するものではないが、今回素材をバックアップするためにNexto DI NPS-10を使用した。今回初めて使ってみたのだが、非常に直感的で、うまく機能したことを報告しておこう

6K Frame Grab – Click for full resolution 6K image

編集

6K撮影時はProResで記録することはできない。6KはBlackmagic RAWのみが対応している。4KはProResでも記録できる。技術的な制限なのか、それともマーケティング上の理由なのかは分からないが、6KのProResではデータレートが非常に大きくなる可能性があるため、それが理由かもしれない。

筆者の知る限り、DaVinci ResolveとAdobe Premiere Proを除き、現在Blackmagic RAWをサポートしている編集プラットフォームはない。PremiereProでBlackmagic RAWを編集するにはAutokromaBRAW Studioを使用する必要がある。 WindowsとMacの両方をサポートしており、筆者も試してみたが、問題なく動作した。 (価格は30ドル)。

まとめ

BMPCC6Kは素晴らしいカメラだ。カメラにはDaVinci Resolve Studio 16の完全版も付いている。しかし、このカメラは独立系映像クリエーターである自分のカメラになりうるか、を考えてみた。

ほぼ1年前にインドで結婚式を収録した時、キヤノン EOS RとBMPCC 4Kのどちらかを使うことにしていた。画質の面ではBMPCC 4KはEOS Rに勝っていると思っているが、一人での撮影にBMPCC 4Kは最適ではないと判断した。この時の撮影は様々な制限があり簡単ではないため、大量のデータ/電力消費/フォーカスの問題を持つBMPCC4Kは選択しなかった。

残念ながら運用に置いていらぬ心配や手間がかかるカメラは、いくら画質が良くても選択できないのだ。BMPCC 6Kも同じ問題があり、このような撮影条件ではやはり選択することはできない。今後、こうした問題が解決されることを望む。

BMPCC 6Kレビューの第3部では、カメラのダイナミックレンジ、ラティチュード、ローリングシャッター効果について技術的な調査結果をレポートする。

冒頭のビデオの音楽はMusicVineを使用。Cinema5Dの読者はコードC5D25で音楽ライセンスを25%割引で購入できる。(ただし一人1回のみ)

 

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