
CAME-TVは、WAERO Proを発表した。これは新しい全二重ワイヤレスインカムヘッドセットシステムで、映画制作クルーのコミュニケーションの課題に対応する。
CAME-TV WAERO Proヘッドセットは、ヘッドセットを接続する中央ハブを必要とせず、撮影現場でのコミュニケーションを簡素化することを目的とし、既存のWAEROシステムと比較してアップグレードされている。

CAME-TV WAERO Proシステムは混雑した2.4GHz周波数を回避
この新システムは1.9GHz DECTバンドに対応し、撮影現場で多数のワイヤレス機器で混雑した2.4GHz周波数帯を回避する。この周波数選択により、干渉を回避する専用通信チャンネルとなる。さらに、WAERO Proは、より安定した接続を提供するために、干渉に遭遇した場合、自動周波数ホッピング機能を搭載している。

最大使用範囲とバッテリー持続時間
このシステムは、オープンな環境で最大518メートルの使用範囲。ただし物理的な障害物が多い場所では減少する。1つのネットワークに最大9台のヘッドセットを接続できる。WAERO Proシステムには様々なものがあるが、クラシックなものには5台のヘッドセットがあらかじめペアリングされており、多くの同種のシステムに伴うセットアップの煩わしさを解消している。
バッテリー性能は、1回の充電で最大15時間の使用が可能で、1日の撮影を乗り切ることができる。この稼働時間は、頻繁なバッテリー交換を必要とせず、長時間の撮影にも耐えうる信頼性の高いヘッドセットだ。ただしマスターヘッドセットの持続時間は5~10時間なので、交換用バッテリーを携帯する必要がある。バッテリーは容量は1100mAhで、2.5時間でフル充電できる。
ノイズキャンセリングとAECも実装されており、バックグラウンドノイズをフィルタリングする。更にCAME-TVはリアルタイム通信のための「遅延ゼロ」を謳っている。
グループ分けと全通話機能
このシステムは、ネットワーク内でグルーピングできるが、簡単にグループ間を切り替えることができる。
CAME-TV WAERO Proには、マスターヘッドセットにいわゆる 「オールコール機能 」が搭載されている。この機能により、マスターヘッドセットのMFボタンを押すことで、AグループとBグループの両方に同時に通信することができる。これはもちろん、ミーティングや昼休みなど、チーム全体への連絡の場合に便利だ。
他のCAME-TV製品との互換性
このシステムは、Kuminik8、Came-Nano、WAEROなど、他のCAME-TVインカムシステムとも完全に互換性がある。

編集の視点
何年も前に初めてCAME-TVのことを知ったとき、私は同社のボルツェンフレネルライトが気に入り、多くのインタビューのライトとして使用している。その後、同社はワイヤレスインカムを含む他の多くの分野に進出している。WAERO Proは、プロダクションコミュニケーションにおける、重量、バッテリー、周波数干渉などの問題を解決している。
さらに、その音質と耐久性は、何年ものフィールドテストを経た成果だ。どのような通信システムであれ、その真価が問われるのは、厳しい制作条件下での長時間の使用と言える。
制作クルーがセットアップ時間を短縮し、信頼性を向上させる機器を求める中、WAERO Proは、現代の映像制作における複雑化するコミュニケーションニーズに対応する、有望な製品だ。

価格と発売時期
WAERO Proの価格は、5ヘッドセットパッケージで555ドルであり、手頃な価格だ。この価格設定は、Clear-Com社などの定評あるメーカーのプレミアムシステムよりも低価格だ。
基本的に、個々のヘッドセットは111ドルで、最大9台までペアリングできるので、この9台のヘッドセットを含む最大のセットは999ドルとなる。
CAME-TVは、CAME-NANOと CAME-KUMINIK8を含むワイヤレスインカムシリーズのセールを実施している。
このシステムは現在、CAME-TVのウェブショップと一部のプロ用ビデオ機器販売店で購入できる。