FilmConvert / CinemaMatchは、iPhone 12Proの映像をグレードアップするカラーコレクションおよびカラーマッチングツールの新しいカメラパックをリリースした。このカメラパックを使用すると、iPhoneの映像をREDカメラやARRI Alexaの映像にルック合わせるのに数回クリックするだけよい。
「オリジナル」のFilmConvertは、サードパーティのプラグイン(スタンドアロンアプリとしても利用可能)で、映像ファイルを簡単にグレーディングし、さまざまなフィルムストックの色や粒子などのルックをシミュレートできる。同社は、FilmConvert Nitrateを発売した(レビューはこちら)。これは、従来のFilmConvert Proプラグインに徐々に置き換わる、はるかに高度なバージョン。なお同社は2019年にCineMatchをリリースした。これは、カメラの画像を数分で簡単に照合できるプラグインだ。
FilmConvertとCineMatchの動作
なお、NitrateやCineMatchを含むすべてのFilmConvert製品を無料で試すことができる。こちらのリンクを使用するとFilmConvertからの購入を10%割引することができる。
FilmConvertのプラグインは、個別にプロファイルされたカメラセンサーのデータに基づいている。 従って、これらのセンサー/カラーデータを使用すると、FilmConvertプラグインがカメラの映像を正確に一致させることができる。現在、FilmConvertのウェブサイトから直接ダウンロードできるカメラパックがすでに数十個使用できる。
FilmConvertは、キヤノンEOS R5、パナソニックS5、キヤノンEOS C70、シグマfpなどの新しいカスタムプロファイルを常にリリースしているが、今回Apple iPhone 12 Proのプロファイルに対応した。これにより、REDやARRIなどの大型シネマカメラの映像に合わせることができる。
iPhone 12 Pro用のFilmConvertプロファイル
上のビデオでわかるように、FilmConvertはiPhone 12 Proのセンサーデータのプロファイルを作成し、さまざまなシネマカメラと一致させることができるようになった。また、上のビデオの映像はREC.709で一致させているが、ここですべてのステップバイステップの画像を見ることができる。
ただしFilmConvertが言及しているように、当然まったく同じというわけにはいかない。
FilmConvertは、「CineMatchを適用すると、露出と色が最適化され、葉の色や、壁のの色が鮮やかさを増す。ただしテーブルにクリップされたところがあるため、テーブルの彩度が少しずれており、奇妙なロールオフが発生する。 iPhoneのダイナミックトーンマッピングにより、黒のレベルは少し高くなっている。」と述べている
また「ダイナミックトーンマッピングは、この段階ではオフにする方法がない。一方で、HDR画像をキャプチャできるが、他方では、グレーディングする機会を失ってしまう。 CineMatchの場合、これは、コントラストを微調整する必要があることを意味する。」とも述べている。
また、iPhone 12 Proのダイナミックレンジは、ラボテストしたARRI Alexaよりも当然小さく、はるかに大きなセンサーを備えた高価なシネマカメラと比較して、暗部のノイズが多くなる。
しかし、iPhone 12 Pro用のFilmConvertパックは、FiLMiC Proなどのサードパーティの撮影アプリにより、グレーディングの適切な出発点となるだろう。
価格と発売時期
FilmConvertカメラパックは無料で、iPhone 12Pro用も無料。 iPhone 12Pro用のFilmConvert Camera Packは、各カメラのサポートとともに、FilmConvertのWebサイトから直接ダウンロードできる。