XF605カムコーダーと同時に、キヤノンは放送市場向けの10×16 KAS Sズームレンズを発表した。このズームレンズは、最新の2/3″放送用カメラに8Kの解像度を提供する。
私は個人的に、この種のレンズをたくさん使ってきた。ソニーのFS7やキヤノンのC300のようなカメラが登場する前は、ソニーのPDW-790のような手持ち式の放送用カメラ(記録媒体はXDCamディスク!)が主流だったし、今でもある程度は使われている。
この新しい放送用ズームレンズは、放送の世界と8Kの未来の撮影の橋渡しをしようとしているようだ。
10×16 KAS S ズームレンズ
この新しいレンズは、2/3″センサーに8K解像度を実現する既存の高性能ボックスレンズ「UHD-DIGISUPER 51」(15.5 – 790 mm)とハンドヘルド型の「7×10.7 KAS S ズームレンズ」(10.7 – 75 mm)を補完するものとして販売されている。
ズーム全域でF2.8の開放値を実現し、11枚羽根の絞りを搭載している。最短撮影距離は0.9m(前玉より)となっている。
レンズ本体の長さは247mm、前玉の直径は114mm。重量は約2.94kg。
このレンズに欠けているのは、放送用レンズではごく一般的な内蔵エクステンダーだ。通常は1.5倍の内部エクステンダーがあり、機械的なスイッチを入れることで作動する。
リモートズームグリップやフォローフォーカスユニットなど、外部機器とのインターフェースは通常通り搭載されている。ハンドルには3つのメカニカルスプロケット用のモーターが内蔵されているので、リモートで操作できる。モーターに電力を供給するためには、レンズをホストカメラに接続する必要がある。
価格と発売時期
価格と発売時期はまだ発表されていないが、おそらく2021年第4四半期に予定されているXF605カムコーダーと近い時期に発売されると思われる。