Canon USAは1D X Mark IIIの静止画およびビデオ機能について、非常に詳細なホワイトペーパーをリリースした。C LogやRAW記録について、詳細が書かれている。
ホワイトペーパーの概要
1D X Mark IIIのセンサーは1D X Mark IIのセンサーに似ているが、プロセッサとストレージメディアはアップグレードが図られている。新しいDigic Xプロセッサは、1D X Mark IIに見られるデュアルDigic 6+プロセッサよりも約3倍高速で、より高い解像度とフレームレート、RAWビデオ、ノイズ処理とシャープネス、バッテリー持続時間、および新しいAFモードを実現している。これにより、すべてのパフォーマンスが著しく向上している。
ホワイトペーパーでは、キヤノンが2つのCFExpressスロットを最大限に活用する予定であることも明らかにされている。1D X Mark IIIは5.5Kでオーバーサンプリングされ、クロップされていないRAWビデオを4K 10ビット4:2:2 60fpsで各カードに記録できる。
“OETF”とは?
このホワイトペーパーで何度も繰り返されるのが「OETF」。これは「OptoElectric Transfer Function」の略で、光を画像に変換するシステムと、その方程式を記述する技術的な用語だ。キヤノンはセンサーからメモリーカードへのパイプラインを設計するにあたり、C Logの対数特性を不可欠な要素にした。このC Log OETFは、ビデオモードだけでなく、写真モードで使用される主要なものだ。従って、1D X Mark IIIでビデオを撮影する場合、C Logを標準にすることをお勧めする。C Logを使わないでビデオ録画できるが、その場合は8ビット記録となる。フレームレートと解像度に関しては、どちらのモードも同じだ。
RAWビデオに関するその他の詳細
ホワイトペーパーから引用すると、「EOS C200やEOS C500 Mark IIのCinema RAW LightとEOS-1D X Mark IIIのRAWビデオにはわずかな違いがある」。正確な違いは不明だが、ここでのRAWビデオは、60 fpsで撮影した場合、最大12bit/2600 Mbpsで記録される。これは、1Gbpsで動作するC200のCanon Raw Lightの2.6倍だ。EOS-1D X Mark IIIでRAW記録する場合、大容量のカードが多数必要となる。