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キヤノンDP-V2420 HDRモニターレビュー

キヤノンDP-V2420 HDRモニターレビュー

昨年9月にキヤノンはプロ用4K HDRモニター、 DP-V2420(出荷済み)と DP-V171020172月出荷予定)を発表した。このほど、 DP-V2420のハンズオンレビューをする機会があったので報告する。

主な特徴

DP-V2420の主な特徴は以下の通り

  • 24インチ、4096×2160、4K、10-bit、IPS LCDパネル、178°視野角
  • 4K /48p、50p、60p
  • ITU-R BT.709とITU-R BT.2020 color gamut
  • HDR規格であるITU-R BT.2100とSMPTE ST 2084に適応、およびDolby Vision と HLG (Hybrid Log-Gamma)に対応
  • ピークルミナンス1200 cd/m2、ミニマムルミナンス005 cd/m2
  • 4K RAWディベイヤー内蔵 (C300 Mark II、C500、C700)
  • HDR-SDR スプリットスクリーンビュー

DP-V2420ハンズオン

セットアップ時に驚いたのは、メニューシステムがかなりシンプルで直感的だったこと。今まで多くのモニターを見てきたが、おそらくこれが最もシンプルだろう。特にピークルミナンスが1000cd/m2で、YouTubeの新しいHDR規格にマッチさせるHDRプリセットを設定するのがいたって簡単だった。

 Canon DP-V2420

DP-V2420のメニュー画面

次に特筆できるのは、その4K画質の美しさだ。使った映像は8K HeliumセンサーのRED Epic-Wで撮影したオリジナルの素材を4K ProRes 4444 XQにしたものだ。画質は文句のつけようがないレベルだが、更に驚いたのはResolveで作成した1080のプロジェクトを DP-V2420の“シェープトレース”アップスケーリングで見たときだ。この機能は、ブラックマジックデザインのUltrastudio 4K Extreamのような4Kで出力できるシステムがまだまだ少ない現在では現実的な機能だろう。1080pの映像を出力すると、信じられないくらい美しい映像が表示された。知らなければ4Kの映像を見ていると思っただろう。間違いなく、今まで見た中で最も美しいアップスケーリング映像だ。

このモニターはOLEDではなく、LCDなので、最初はどうかなと思っていた。HDRに関しては、0.005cd/m2の黒が必要で、これは普通OLEDに期待されているレベルだからだ。しかし、私の映像素材を再生してみてすぐに、キヤノンはバックライト技術で何か特別なことをやったのだと分かった。 DP-V2420 HDRモニターのバックライトスキャンニングはフルアレイのRGBバックライトを使用しており、これは個々のエリアが単独で消灯できるのだ。キヤノンからこの技術についての詳細な説明はなかったが、このやり方は賢明で、バックライトを使用するモニターでは通常期待できないことなのである。

マニュアルでの明るさ調整の他にも、バックライトアレイの後ろについているセンサーが温度、明るさ、あるいは色の情報を監視している。これによりモニターは常に最良の状態に保たれており、通常の環境ではキャリブレーションを取り直す必要はないとのこと。(工場出荷前に最高級のKLEIN Instruments社のプローブで調整されている)

ただ、唯一気になったのがファンノイズだ。しかし、後日キヤノンからの情報で、ファームウエアのアップデートですぐに改善されるとのこと。

もう一つ新しい機能を紹介しておこう。それは、一つの入力を、HDRとSDRでサイドバイサイドにスプリットして表示できる機能だ。これはカラリストやDITにはかなり嬉しい機能ではないだろうか。アップデート前ではSDI INとOUT端子にケーブルを接続すればできるのだが、アップデート後はそのようなことをしなくても簡単に出来るようになる。このスプリットスクリーン機能は、内蔵されているHDR対応の波形モニターでも確認する事ができる。HDR対応の映像制作では極めて有用な機能と言える。

まとめ

プロ用HDRモニターの需要が高まっているが、キヤノン DP-V2420は有力な選択肢となるだろう。卓越した技術で有用な機能が搭載されており、HDRプロダクションやカラースイートには最適な1台といえる。

フジヤエービックのショップサイト

キヤノンのWebページはこちら

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