キヤノン EOS C700 が発表された。Cinema EOSラインで C500に代わる新たなフラグシップの位置付けである。
C500/C300以来続けてきた基本形状がC700で初めて変更された。EOS C700はパナソニックのVaricam、Arri Amira 、あるいは Sony F55/F5 といったカメラの形状に近くなっている。機能と価格を見てもハイエンドの映画制作を、その使用目的にしていると言ってよいだろう。
キヤノンはC300 Mark II 同様、C700の実用ダイナミックレンジは15stopとしている。これは通常のCMOSバージョンの値で、グローバルシャッターのCMOSバージョンでは1stop低下して14stopとなっている。
なお、C300やC500同様、EFとPLマウントバージョンが存在する。
EOS C700 は4K映像をCFast 2.0カードに最高59.94pで、XF-AVC(10bit 4K)フォーマットで記録する。また、ProResでの記録も可能で、この場合は、4k 10bit 4:2:2HQ、あるいは2K 12bit、4:4:4:4での記録が可能。
さて、恐らくこれが最も興味ある機能のひとつと思われるが、オプションで用意されるCodex CDX-36150 recorder を使用すると、120fpsのRAW記録が可能だ。これはC700に直接装着できるレコーダーで、後日ファームウエアのアップグレードで対応予定。
このオプション装着時、C700本体では以下の記録ができる。
- CFast2.0カードに4K内部記録。XF-AVCフォーマットで最高60fps
- 4K ProRes で最高30fps
- 2K 10bit 4:2:2で180fps(2Kではセンタークロップされる)
- 4:2:0のプロキシをXF-AVC 1080pでSDカードに記録。
C700のその他の機能
- デュアルピクセルCMOSオートフォーカス(対応EFレンズ装着時:5D Mark IV、C300 Mark II、1D X Mark IIで採用済み)
- デュアルピクセルフォーカスガイド(マニュアルファーカス時)
- Canon Log2とCanon Log-3搭載
- B4レンズ対応
- NDフィルター内蔵
- アナモルフィック対応(EVFやモニター出力時、映像が39:1に引き延ばされる。拡大ファクターはOFF/2x/1.33x)
- 着脱式リモートパネル
- 外部アクセサリーへの給電用に12Vと24Vの出力可能
- 専用の高解像度EVF
- レンズサーボコントロールグリップをオプションで用意
オプション
- C700、C300 Mark II専用の1080pビューファインダー EVF-V70
- 15mmロッド付きクイックリリースプレート
- コントロールグリップ
- 2/3インチレンズ用B4マウントアダプター
このカメラがマーケットでどのように評価されるか楽しみだが、いずれにしてもハイエンドシネマカメラの有力な選択肢が現れたことは確かだ。