キヤノン EOS M10レビュー – 実使用レポート
キヤノンの、ビデオも撮れるスティルカメラを以前レポートしてからずいぶん経つが、やっと次の機種を紹介する機会ができた。EOS M10だ。
次々と他社から新機種が発表される中、キヤノンは沈黙を守っていた。前回紹介したキヤノンのDSLRと言えば、実に2012年の5D markIIIまでさかのぼる。キヤノンはスティルカメラでビデオを撮ることを始めた第一人者なのに、その名声を捨ててしまったのかとさえ思えた。
あまり進展のないキヤノンのDSLRやミラーレスのビデオ機能を見ていると、やはりキヤノンのプライオリティはハイエンドプロフェッショナルマーケットを守ることにあると勘ぐってしまう。しかし、やっと、二つのエントリーレベルのニューモデルが出てきた。EOS M10(APS-Cセンサーサイズ、レンズ交換式カメラ)とPowerShot G5 X(1インチセンサーサイズ、固定レンズ)だ。
今回はEOS M10に焦点を当ててレビューする。PowerShot G5 Xについては近くレビューしたいと思っている。
EOS M10オーバービュー
EOS M10はキヤノンのミラーレスラインアップでは4番目のカメラで、EOS M3の弟分にあたる。エントリーレベルのみリリースしているところを見ると、ミラーレスマーケットを展開している他のメーカーと異なり、キヤノンはこのマーケットに対してはたいそう慎重に事を運んでいるように見える。EOS MラインはDSLR部門からコンシューマー部門に移ったという話も聞いた。
EOS 10Mは約$500でキットレンズとともに売られている。ビデオを撮るためのEF-M 55-200mmレンズは別売だ。また、全てではないが、キヤノンのEFレンズやサードパーティーのレンズもレンズアダプターを介してEOS Mファミリーに使用可能である。
全ての機能や最新テクノロジーを入門用カメラに入れて欲しいと言っているわけではない。このセグメントで他社と競合していくためにも、単に価格相応のスペックで済ませないで、EOS Mシリーズにも高解像、高記録レートを積極的に投入してもらいたいと思う。やはりこのカメラは2014年8月に発表されたソニーのα5100 と競合するレベルと言うことかもしれない。(レポートはこちらから)
ちょっとがっかりさせてしまったかもしれないが、とりあえずプロスコンスを見てみよう。
強み(順不同)
- 動画撮影時のマニュアルコントロール可能
- 視認性の良いLCDモニター
- ミニHDMI出力(多くのカメラはマイクロHDMIだ)
- EFレンズ使用可能(EF-EOS Mマウントアダプターが必要)
- 操作性の良いタッチスクリーンフォーカス(キットレンズ装着時)
- PAL/NTSC選択可能
弱点(順不同)
- 1080/25p、720/50モードのみ
- ヘッドフォンジャックが無い
- 外部マイク入力が無い
- EVFが無い
- バッテリー持続時間が短い
- 同梱のEF-M 15-45mm f/3.5-6.3レンズは反応が遅く可変範囲が狭い
- 三脚使用時、バッテリー交換するために三脚アダプタープレートを外さなければならない
- 室外/室内のセッティングより、オートホワイトバランスのほうが正確なホワイトバランスを取れる
- 髪の毛などディテールの強いものを撮るとエリアシングが結構出る
- 2012年レベルのビデオ画質
ISO1000以上での撮影と、HDMIクリーン出力はテストしていない
まとめ
キヤノン EOS M10はエントリーレベルのラージセンサーカメラ。機能性とビデオ画質が気にならないなら、ひとつの選択肢だろう。あと、太陽光下での撮影ではEVFは必須。また、ドキュメンタリースタイルの撮影では、マイク入力が無いのは大きな問題だ。
一方、キヤノンルックが気に入っているという場合には、まさにこのカメラはそうだ。現在キヤノンのカメラを使っていて、安価なサブカメラを探しているなら、このカメラは真っ先にお勧めできる。
このビデオについて:
1080p 25fps、ニュートラルピクチャープロファイル(すべての設定は”0”)Adobe Premiere Pro CC2015で編集
カラーコレクション:FilmConvert
さらに詳細は以下
Music: musicbed, Title: Winter Solstice by Andrew Judah
Many thanks to Sarah Ware. Discover more about her jewellery world.