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キヤノンEOS RはC200のBカメラになりえるか?

キヤノンEOS RはC200のBカメラになりえるか?

キヤノンEOS Rは堅牢で軽量なフルフレームカメラだが、様々な評価が出ている。特に動画用カメラとしては賛否両論あるようだ。筆者は先日、EOS R をC200のBカメラとして使う機会があったので、レポートする。

まず断っておくが、これはこのカメラのビデオ機能の包括的なレビューではなく、特定の撮影での筆者の個人的な印象だ。 EOS Rのレビューも併せて参考にしていただきたい。

上のビデオはEOS Rで撮影されている。また、1:58から2:13では、Kessler Crane Pocket Jib TravelerでEOS Rを使用している。

CanonEOSRC200_01

EOS Rの主な特徴

キヤノンEOS Rはおそらく2018年で最も注目されたカメラのひとつだ。最近発表されたキヤノンEOS RPもあるが、これは別のカメラだ。しかしEOS Rのビデオ機能に関しては、辛口の評価が目立つ。スペックを見ても、ビデオ機能に関しては不足しているところが多少ある。筆者もその点は同感だ。

下がEOS Rの主な機能。

  • 30.3メガピクセルフルフレームセンサー。
  • 新キヤノンRFレンズマウントおよび、EFレンズとEF-Sレンズ用EOS Rアダプタ
  • SDスロット(UHS-II互換)は1スロットのみ
  • ビデオ録画機能:UHD 4K 4:2:0 8bit/ 25 / 30p(最大29分59秒)MP4、4K/フルHD 1080p/ 50 / 60p(1.8倍クロップ)、HD 720p、最大100 / 120p
  • HDMIで非圧縮10bit UHD 4K出力
  • キヤノンログ
  • デュアルピクセルCMOS AF

パナソニックのGH5やソニーのα7 IIIと比較すると、これらは見劣りするスペックと言わざるを得ない。また、価格的にも特に魅力があるわけではない。では、どのような使い方があるだろうか?

CanonEOSRC200_02

The Canon EOS R on the Kessler Crane Pocket Jib Traveler with a Canon EF 24mm F1.4L

実戦でのテスト

今年1月に、筆者はフランス人アーティストBlam’sのミュージックビデオを撮影する機会を得た。筆者は過去に彼のミュージックビデオを5本作っている。当初我々は低予算のインディミュージックビデオから始め、YouTubeでかなり好評を得た。最近Blam’sがミュージックレーベルと契約し、このミュージックビデオを制作するために多少余裕のある予算がついた。

今回の撮影では、キヤノンC200を使うことにした。このカメラはRAW記録が可能で、非常にArri Alexaに近いトーンを持っている。また低照度特性も素晴らしいカメラだ。同社のEFレンズとデュアルPixel AFの相性も全く問題なかった。このミュージックビデオを撮影するのに1日しか割けなかったので迅速な撮影が求められたが、C200は十分期待に応えてくれた。

CanonEOSRC200_03

Photo: Julien Strai

このミュージックビデオの最初の段階で、いくつかのショットは少し厳しいと感じた。たとえばカメラをアーティストに取り付ける必要があり、Snorrycamを使ってC200でテストした。しかしこれはあまりにも無茶な組み合わせで、2分間撮影したら背中を痛めてしまった。もっと軽いカメラが必要となったのだ。

そこでBカメラとして自分のパナソニックGH5を使うことを考えた。 GH5は素晴らしいマイクロフォーサーズのカメラだが、カラーグレーディングを行ってもC200 C-Logの映像とマッチしないのではないかという懸念があった。そのときレンタルでEOS Rが手に入ったので、これで撮ることにしたのだ。

C200Bカメラになりうるか?

EOS Rを得て、可能な限りコンパクトなシステムにしてみた。カメラ、RF-EFレンズアダプター、そしてレンズで構成する。外部レコーダーは使用せず、すべてのショットは4K UHD 25p 4:2:0 8bitで撮影し、Canon Logで記録する。

EOS Rはなかなか楽しいカメラだった。電池の持ちは悪くなく、フリップできるタッチスクリーンも使いやすい。メニューも分かりやすいものだった。また、デュアルピクセルAFはEFレンズでも問題なく動作した。Metabonesアダプターでは苦労することが多いのだが。

しかし筆者にとって最も重要だったのは、EOS RのC-Log画像がC200とどれほど近いかというこだった。C-Log to WideDRまたはRec.709 LUTを使用すると映像はほぼ同じになったが、EOS Rの画像は多少マゼンタに傾くようだ。

CanonEOSRC200_04

Photo: Julien Strai

EOS Rを使ってみて思ったのは、このカメラの動画機能に対する批評が、少し辛口すぎるのではということだった。 4Kモードでビデオを録画するとき、1.8倍のセンサークロップは筆者が心配していたほどのものではなかった。撮影環境をきちっと管理すれば、ダイナミックレンジは12stopで十分だ。ただ、撮影する機会がなかったので、日中での使用感については分からない。全体的なイメージはそれほど悪くないというのが筆者の印象だ。

ミュージックレーベルはこのミュージックビデオの画質に驚いたようだ。面白いのは、ミュージックレーベルがアーティストが地面に寝ているシーンを一番気に入ったということ。実はこのシーンは、EOS Rの4:2:0 8bitで撮影されているのだ。

さてEOS R はC200のBカメラとして使えるかという問いに関しては、おそらく「Yes」だろう。特にジンバルショットなどの場合、例えばDJI Ronin-Sで使う場合、EOS Rは時間の節約にも貢献する。

ただBカメラとして別のDSLRやミラーレスカメラを持っているなら、それを使う手もある。ある程度ポストで調整すれば、C200に色を合わせることはそれほど難しくないかもしれない。

RFからEFへの変換アダプタには新しく採用された内蔵の可変NDフィルタが備わっており、これもEOS Rの利点の一つと言える。新しいRFレンズやアクセサリーも今後次々と発売されるだろう。

 

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