キヤノンは、R5のファームウェアアップデートをリリースした。
当初は8K RAWビデオの内部撮影時にオーバーヒートの問題があったもののその後改善され、更にアップデートされてRAWコーデックの「Lite」バージョンが導入され、最終的にAtomosのNinja Vレコーダーを使って外部記録を可能にすることで8K RAWのオーバーヒート問題を「解決」したが、R5が更に、また新たなファームウェアのアップデートを行った。
Canon Log撮影時のエッジノイズを修正
今回のキヤノンR5ファームウェア1.5.0のアップデートは、以前のアップデートほど重要ではないかもしれないが、それでもビデオ撮影にとって重要なアップデートを提供している。特に、Canon Logでの撮影時に明るい被写体のエッジに現れるノイズを解決した。
オートフォーカスの強化
AF機能の強化により、自動車やバイクの検出が可能になり、モータースポーツの動画撮影を強化している。また、顔に影がある場合や髪の毛が目にかかっている場合などにも対応し、瞳の検出が強化されている。難しい照明の下でAFが作動しない場合や、特に照明が変化する状況では重要な修正となる。
修正点
- ウインタースポーツでのヘルメットやゴーグルに対応するため、頭部検出性能を向上。
- [AF]タブの[検出対象]に[車両]を追加し、モータースポーツでの四輪車や二輪車の検出に対応した。「車両」がドライバーやライダーのヘルメットの場合、「スポット検出」を追加した。(一般的な乗用車や自転車、スタントや土砂を巻き上げるオートバイでは検出できない場合がある)
- 以下のような場合に、瞳の検出性能を向上させている。
- 顔に影がある場合。
- 髪の毛が目にかかっている場合。
- 人物の胴体部分の検出に対応した。目、顔、頭が隠れていたり、検出できない場合でも、人物の胴体を検出して継続的に追跡する。
- 静止画撮影時にクイックコントロール画面からマニュアルホワイトバランス(MWB)データを取り込めるようになった。
- マルチコントローラーのセンタープレス操作を廃止し、FTP転送時の誤転送を防止した。
- カードを2枚挿入した状態でEOS Utilityを使ってリモート撮影する際に、記録方法の設定や記録先のカードを選択できる機能を追加した。
- 「表示パフォーマンス」の「スムーズ」に「フレームレートの低下を抑える」を追加し、暗い場所でもフレームレートの低下を抑えて撮影画面を表示できるようになった。
- 魚眼レンズ「RF 5.2mm F2.8 L Dual Fisheye」に対応。
- 「FTPサーバー」→「パッシブモード」の初期値を「有効」に変更。
- FTP転送時の動作安定性を向上。
- 手ぶれ補正機能が搭載されていないEFレンズを使用した場合のボディ内手ぶれ補正(IBIS)の制御を最適化。
- Canon Logを使用して動画を撮影した際に、明るい被写体の周辺にノイズが発生する問題を修正。
ファームウェアバージョン1.5.0は、ファームウェアバージョン1.4.0までのカメラに対応している。ファームウェアがVer.1.5.0である場合は、アップデートの必要はない。
アップデートは、キヤノンのウェブサイトからダウンロードできる。