キヤノンがSumire Prime PLレンズを発表
キヤノンが7本のPLマウントシネマプライムレンズ、Sumire Primeを発表した。
キヤノンはプライムレンズの新シリーズ「Sumire Prime」を発表した。cinema5DではSumire 35mm T1.5を入手したので、ファーストインプレッションをシェアしたい。
新しい7本のSumire Primeレンズは以下の通り。
CN-E14mm T3.1 FP X
CN-E20mm T1.5 FP X
CN-E24mm T1.5 FP X
CN-E35mm T1.5 FP X
CN-E50mm T1.3 FP X
CN-E85mm T1.3 FP X
CN-E135mm T2.2 FP X
ファーストインプレッションの前に、Sumire Primeシネレンズの概要を記しておこう。
Sumire Primeレンズの概要
キヤノンはすでにEFマウントのシネレンズセットをラインアップしている。今回発表されたのはPLマウントのシネマレンズだ。新しいシネレンズシリーズはユーザーが新しい感覚で創造的な作品を作れることをバックアップする。なおEFマウントへの変更はキヤノンサービスか同社公認のパートナーで可能とされている。オリジナルのシネマプライムレンズシリーズと同様に、Sumire Primeは明るいTストップ値を持つ。
Sumire Primeは、EOS C700 FFのようなCinema EOSカメラをはじめ、35mmフルフレームフォーマットセンサーやSuper 35mmフォーマットセンサーのPLマウントシネマカメラに対応する。 11枚の絞り羽根を採用しており、丸く柔らかいボケ味を実現する。すべてのレンズはマニュアル操作で、アイリスリングとフォーカスリングに0.8ピッチのレンズギアを持たせている。フィルター径は105mmでフロントの直径は114mm。フォーカスリングの回転角度は300度となっている。
Sumire Prime 35mm T1.5のファーストインプレッション
数日間Vocas のPLマウントアダプターを装着したα7 IIIで新しいレンズを使ってみた。残念ながら、キヤノンC700 FFは手元に無かったので、キヤノンのカメラではチェックしていない。
以下が使ってみて気付いた点。
- 画像全体で非常にシャープだが、開放近くでは、特にコーナーでシャープネスが著しく低下する。開放の少し手前で使うのが安全な方法かもしれない
- ブリージングは最小限に抑えられている
- キヤノンが公式のプレスリリースで述べているように、映像が暖かい感じを持っていることを確認することができる。筆者の個人的な好みは暖かい映像だが、多少暖かすぎる傾向がある。しかし後処理で補正すれば問題ない。
- オリジナルのCN-Eレンズとの違いは、フレアと光の反射の処理方法だろう。繰り返しになるが、筆者の個人的な好みから言うと、フレアは多少ワイルドな傾向がある。これは、屋外で使う場合注意する必要がある。他のDoPがこれをどう考えるか知りたいところだが、このレンズには確かに多くの人が探している特別な「キャラクター」がある。
- 色収差も確認できる。
- 300度のフォーカスリング回転範囲について、慣れていない場合はこのレンズを単独で操作するのは難しいかもしれない。このような場合はフォローフォーカスを使うのが良いだろう。もちろん一人で操作できないということではない。
- イルミネートされたスケールは非常に見やすい。またレンズの最短合焦距離は28.5cmで合理的だ。
Sumire CN-E 35mmと従来のCN-E 35mm T1.5の比較
上記のように、Sumireのフレアははるかに顕著だ。光量によっては、ハレーション効果が強い場合がある。色収差に関して困惑させられたのは、フリンジに対する違いが明確に分からなかった点だ。場合によってSumireは強いフリンジを示し、別の場合にはCN-E 35mmレンズで顕著だった。 ボケに関しては、両方のレンズとも11枚の絞り羽根を使用しているため、美しく柔らかいボケを見せてくれた。
主な機能
- フルフレーム対応のPLマウント採用
- シネマレンズと同じ色調
- 11枚の絞り羽根
- フォーカスブリージングの減少
- 300度フォーカスリング回転
- フィルター径とギアの位置を統一
価格と発売時期
Sumire Primeはまもなく発売予定。価格はおよそ7400ドル程度とされる。オリジナルのCN-Eレンズの価格は約4000ドルなので、キヤノンがエンドユーザーではなくレンタルハウスをターゲットにしていることは明らかだ。
まとめ
キヤノンが可能な限りシャープでかつ非常に強いアイデンティティを持っているレンズを開発したことに拍手を送りたい。フレアは少し強すぎるかもしれないが、印象的な映像を撮ることができる。また比較的コンパクトでかつ堅牢な作りで、操作も非常にスムーズだ。